侵略後もプーチンの言い分を代弁し、「プーチン説得」を求められても「G7がやる」と他人事の安倍
ところが、安倍元首相は責任を取るどころか、ウクライナ危機後も“プーチンの犬”的な姿勢を続けている。
ロシアが実際にウクライナに侵略した直後こそ、アリバイ的にロシアを批判するようなコメントを出した安倍だったが、実はその直前までは、侵略が確実視されていたのに、プーチンのことをまともに批判しなかったばかりか、むしろ岸田政権に対してロシアの顔色を伺うよう圧力をかけ続けてきたフシさえある。
安倍元首相は、2月8日に岸田首相と会談、ウクライナ情勢や対露外交についてアドバイスしたと報道されたが、実際はこの時、北方領土交渉への影響を持ち出し、ロシアを刺激しないようけん制したのではないかといわれている。
また、岸田首相が2月15日夜、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行うと、安倍は2月17日の安倍派会合ですかさずそのことにふれたうえ、「(岸田首相は)おそらく近いうちにプーチン大統領にも日本の考え方を伝えるだろう」と語った。これは、ウクライナだけでなくロシアにもきちんと対応しろ、と圧力をかける発言だったとしか考えられない。
先日、安倍首相の子分である高市早苗・自民政調会長が、林芳正外相がロシアの経済発展相と日露経済をめぐり協議したことについて、「ロシア側を利することになる」「ロシアの術中に見事に自分からはまっていった」などと攻撃していたが、むしろ、こうした弱腰路線を後押ししたのは、安倍元首相だったのである。
しかも、目を疑ったのは、2月27日の『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)での発言だ。安倍元首相はこの番組で核シェアリングを持ち出したのだが、実はその一方で、プーチンの代弁者としか思えないような発言を繰り返していた。安倍は首脳会談などで、プーチンがNATOの東方拡大への不満を伝えていたことなどを明らかにしたうえで、こう擁護したのである。
「プーチンとしては(NATOに対する)不信感のなかで、領土的野心ではなく、ロシアの防衛、安全の確保の観点から行動を起こしているのだろう」
一応、「正当化しない」とはエクスキューズしていたが、こんな分析をすること自体、安倍の本音はいまも、プーチンの味方なのである。
ところが、その安倍、「安倍さんに説得してほしいという声が国民から上がっている」とふられると、こう答えたのだ。
「もちろん説得できたら私も説得したいんですが」「まずは今、G7の首脳たちも結束を固め、その上でプーチンに対する説得を行っている。あるいは外交的な要求、要請、交渉を行っていくんだろうと思います」
あれだけ盟友関係を強調していたくせに、完全に他人事の対応。しかも、それでいて、自分の政治的野望である憲法9条改正と核武装にだけは、ウクライナ侵略を利用するのだから始末におえない。まさにこういう人間のことを「亡国の政治家」というのだろう。
はっきり言っておく。憲法9条がこの国に必要なのは、安倍晋三のような政治家がいるからだ。
(編集部)
最終更新:2022.03.07 08:51