大阪市は今年4月23日を最後に「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」を一度も開催せず
そもそも、大阪市は万博の宣伝をやっているような状況ではない。昨日の大阪府の新規感染者2296人のうち大阪市の感染者数は889人にものぼっており、大阪市は確保病床の使用率でも62.1%(17日時点)という逼迫した状況だ。さらに、昨日おこなわれた大阪府の新型コロナ対策本部会議では、りんくう総合医療センターの感染症センター長である倭正也医師がこんな意見を寄せていた。
「大阪府全体で陽性者数が増加しているとは言え、特に大阪市においては保健所機能や医療体制が第4波の時から改善されていないのではないかと思うぐらい重症者の増加、そこからの搬送が目立つようになっている」
大阪市は保健所機能も医療提供体制も第4波から改善されていないのではないか。そんな厳しい指摘を受けたその日に、「万博応援します!」なんてメッセージを発信している場合か。
だが、第4波の反省などまるでない態度は、広報にかぎった問題ではない。というのも、松井一郎・大阪市長は昨日、自身の言葉で新型コロナについて何か呼びかけるような投稿をひとつもせず、その一方で大阪市広報によるダウンタウンのメッセージ宣伝投稿はわざわざリツイートしたからだ。
いや、松井市長の怠慢はそれだけではない。なんと、大阪市が設置した「大阪市新型コロナウイルス感染症対策本部会議」は、今年4月23日を最後に一度も開催されていないのだ。
もっと言えば、大阪市が公表している「市長日程」によると、松井市長の18日の公務日程は「なし」。さらに本日19日も「公務日程なし」となっている。それどころか、じつは松井市長は14日(土)からずっと「公務日程なし」が連続しており、実質6連休。先週6日(金)〜9日(月)も「公務日程なし」の4連休だったというのに、である。
デルタ株というかつてない危険に瀕し、現場の医師から「保健所も医療体制も第4波から改善されていない」と指摘されているのに、コロナ対策の会議も開かず、公務日程もなく、やることといえば万博を応援するダウンタウンの動画メッセージの拡散……。もはや正気の沙汰ではないだろう。