首相官邸HPより
菅政権のワクチン接種計画のデタラメさが明らかになった。「6月末までに4000万回分の供給を受ける」とぶち上げてきたモデルナ製ワクチンについて、昨日6日になって、河野太郎・規制改革担当相が記者会見で「その後、モデルナ社との協議で調整し、6月末までに供給を受けたのは1370万回分」と、しれっと言い出したからだ。
しかも、絶句したのはそのあと。質疑応答で北海道新聞の記者が「4000万回分という契約から減るとモデルナ側から示されたのはいつごろか」と質問すると、河野大臣はこう答えたのだ。
「あのー、これはですね、かなり当初に調整をして、4000万という数字を変更しております」
(「具体的にはいつごろですか?」という更問いに)「えー、ちょっと正確には覚えていませんけども、ひょっとするとゴールデンウィーク前?ぐらいじゃないかと思います」
これまでさんざん政府は「モデルナは6月までに4000万回分、2000万人分ある」と喧伝してきたのに、実際にはその3分1の量しか入ってこないことを、なんと4月末には河野大臣は知っていた、というのである。
ご存じのとおり、モデルナ製ワクチンは5月24日からはじまった自衛隊の大規模接種センターにくわえて自治体の大規模接種でも多く使用され、さらに6月21日から鳴り物入りではじまった職域接種でも使用。当初、河野大臣は職域接種について「ストップするくらい頑張って」などと大風呂敷を広げ、家族や取引先、周辺住民まで含めて接種をおこなうよう求めていたが、申請は6月25日時点で3300万回分にもおよんだことからストップをかけた。そしてこのとき、大規模接種でも1200万回分を超えていたことから、河野大臣は「かなり上限に近くなっている」などと言っていたのだ。
ところがどうだ。実際には、河野大臣は大規模接種センターの予約を開始する前から「6月までに1370万回分しか入ってこない」ことを知っていたにもかかわらず、国民にはその事実を隠し、6月になって職域接種までぶち上げていたのだ。つまり、職域接種は砂上の楼閣にすぎなかったのである。
しかも、職域接種をスタートさせた結果、自治体の大規模接種向けのモデルナワクチンが不足し、それでなくても不足していると自治体から悲鳴があがっているファイザー製ワクチンを大規模接種に回すという本末転倒な事態に陥っているのだ。杜撰にも程があるだろう。