国民の命も天皇の懸念も無視するその姿勢は、太平洋戦争に突入した軍部そっくり
動員された子どもだけで、「上限1万人」を超える人数。さらに、これに一般観客1万人、同じく別枠の大会関係者の数千人が加われば、合計で2万5千人以上。東京スタジアムの収容人員は4万8千人だが、上限をオーバーするのは確実だ。そして、これだけの人数が1箇所の会場に集中し、公共機関を使って移動する。
ようするに、ただでさえ、有観客によって感染リスクは高まっているのに、大規模な子ども動員の結果、その危険性が飛躍的に増大するのである。
にもかかわらず、政府も組織委も学校連携観戦=学徒動員計画を撤回せず、東京都に至っては、キャンセル受付をもみ消してまで、子どもを動員しようとしている。
連中は、五輪を強行するためには、国民や子どもの命なんてどうでもいい、と本気で考えているらしい。
いや、連中がないがしろにしているのは、国民だけでない。本日、西村泰彦宮内庁長官が「東京五輪の開催が新型コロナウイルスの感染拡大につながらないかと天皇陛下が懸念を示していると拝察する」と会見で述べ、事実上、天皇までが開催への懸念を表明するかたちになったが、加藤勝信官房長官は「長官自身の考え方を述べられた」だけと一蹴した。
天皇の懸念も無視して五輪へ突き進むその姿は、まさに、太平洋戦争に突入していった旧日本軍とそっくりというほかはない。
(伊勢崎馨)
最終更新:2021.06.24 10:31