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菅首相の“7月中にワクチン高齢者接種完了”発言の裏で総務省が自治体をパワハラ恫喝して回答を水増し「7月末に完了すると言え」

「7月中完了は難しい」と答えた自治体に総務省が「公表するぞ」と脅し

 さらに、13日に配信された「AERA dot.」の記事では、「総務省が各県副知事への電話し、『7月末までに接種完了は難しい』と答えた市町村に対し、『公表するぞ』と脅した」ことを政府関係者が証言しているが、このような露骨な恫喝電話を総務省がかけつづけた結果が、総務省と厚労省が12日に発表した「全市区町村の86%に当たる1490自治体が7月末までに完了する見込み」という数字なのだ。4月末に厚労省が内々に調査した際は6割を超える1100自治体が「7月中に完了できない」と回答していたというから、恫喝電話が相当に利いたことはたしかなのだろう。

 だが、当然ながら、この「86%の自治体で7月中に完了する」という数字は、ワクチンの配布スケジュールも不透明ななかで総務省によるパワハラ恫喝によって無理やり「7月中にできる」という答えを引き出しただけ。全国のなかで「7月中に完了」と答えた割合が最低となった秋田県の佐竹敬久知事が「(他の自治体は)さば読みのところもいっぱいある」と述べているように、実態は裏付けもなく水増しされた数字なのだ。

 しかし、最大の問題は、自治体にパワハラ恫喝をかけ、水増しされた詐欺的な数字によって内閣支持率アップを目指す、菅首相のやり方だ。

 菅首相が総務相時代に肝いりではじめた「ふるさと納税」制度の拡充に反対したことで左遷された元総務官僚・平嶋彰英氏は、菅首相について「とにかく乱暴なことばかり言って、乱暴なことでも言い出したら聞かなくて、気に入らないと人事権を振るうという印象しかありません」「とにかく極端な人です。あそこまでひどい人はほかにいません」と述べているが(詳しくは過去記事参照→https://lite-ra.com/2020/11/post-5696.html)、今回のやり方もまったく同じ。ようするに、菅首相は「俺がやれと言ったらやれ」というパワハラ恫喝をかけることでしか物事を動かせないのだ。

 しかも、本来ならば自治体との調整は厚労省が担当すべきところを総務省に担当させたのも、交付税課長を使って自治体に脅しをかけるといった露骨なことも総務省にならやらせられると踏んでのことなのは間違いない。

 実際、完全な菅首相の駒となっている武田良太総務相も自ら、菅首相から自治体への対応を任せられるや否や、さっそく自治体に恫喝をかけていた。

 菅首相が「高齢者接種を7月中に完了させる」と宣言したのと同じ4月23日、武田総務相は全自治体の首長に宛てて、「新型コロナワクチンの速やかな接種について」というタイトルで「総務大臣メール」を発出。そこには「菅総理から指示を受けた」とした上で〈7月末を念頭に、高齢者への速やかなワクチン接種に向けて、皆様方、お一人お一人の一層のご尽力・ご協力をお願い申し上げます〉と書かれていた。

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