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菅首相の“7月中にワクチン高齢者接種完了”発言の裏で総務省が自治体をパワハラ恫喝して回答を水増し「7月末に完了すると言え」

菅首相の7月中にワクチン高齢者接種完了発言の裏で総務省が自治体をパワハラ恫喝して回答を水増し「7月末に完了すると言え」の画像1
首相官邸HPより


 本日17日から菅義偉首相肝いりの「大規模接種センター」の予約がスタートした。政府は東京・大阪の2会場合わせて1日1万5000人の接種を目指すというが、一方、米オックスフォード大学などの16日までの調査によると、ワクチンの1回接種を済ませた人の割合が世界平均では約9%であるのに対し、日本は約3%という結果に。〈発展途上国レベルの世界110位前後〉という体たらくだ(東京新聞16日付)。

 対策が後手に回りつづけて感染拡大を繰り返してきたばかりか、頼みの綱であるワクチン接種も進まない……。よくこれで菅義偉首相は「7月末までに高齢者接種を完了させる」などとぶち上げたものだが、しかし、そんななかで、菅政権はとんでもない行動に出ていたことが発覚している。

 それは、菅義偉首相の強い影響力の下にある総務省が、自治体の首長らに直接電話をして“7月末までに高齢者接種は完了すると言え!”と恫喝をかけていたことが次々に明らかになっているからだ。

 15日に放送された『報道特集』(TBS)によると、群馬県太田市は高齢者のワクチン接種終了予定時期について、県に「8月末以降になる」と報告していたのだが、すると、同市の清水聖義市長のもとに総務省の交付税課長から電話がかかってきた。清水市長の「広報コラム」によると、清水市長はそのとき「交付税を増額する? それはないな」と思ったというが、その交付税課長からの電話の内容は、「高齢者のワクチン接種を7月中に終えてくれませんか」というものだった。

 この要求に対し、清水市長は「ワクチンはまだ来ていない。接種を早めろといわれても、それは無理。ワクチンの量と配布予定を明確にしてくれないと」と反論したが、総務省の交付税課長はワクチン配布を急ぐとした上で「とにかく7月中に終えてください」と強調し、それで電話は終わったというのだ。

 まず、ワクチンが1箱も届いていない自治体に対し「接種を早めろ」「7月中に終えて」などと指示すること自体が滅茶苦茶だが、それよりも気になるのは、市長に電話をかけてきた人物が総務省の交付税課長だったことだ。

 清水市長が「交付税を増額する?」と一瞬考えたように、総務省の自治財政局交付税課は地方交付税の配分が本来の担当業務だ。その課長から直接電話で「7月中に終えて」と言われれば、「これを断われば地方交付税に影響が出るのでは」と考えるのが自然だろう。つまり、間接的に圧力をかけ、恫喝しているも同じ。完全なパワハラではないか。

 実際、昨日16日に中日新聞や京都新聞などのブロック紙・地方紙に掲載された共同通信の配信記事によると、この太田市のケースと同様に、高齢者対象のワクチン接種の終了時期を「8月以降」と報告した自治体には、狙い撃ちしたように総務省の職員から電話がかかってきていた。

 たとえば、関東地方の市長のもとには総務省の複数の職員から電話があり「自治体はわれわれのパートナーだと思っています」と言われたといい、中国地方の県関係者の場合は、電話口でこう言われたという。

「厚労省でなく、うちが動いている意味合いは分かりますね」

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