小学校でのクラスターも確認されているのに、教員たちが五輪会場の集団下見に
いっておくが、東京都では4月に入って感染者が急増。25日には緊急事態宣言が出されている。しかも、変異株の影響か、子どもへの感染も広がっており、東京都内でも、小学校や中学校の児童・生徒らの感染も多数確認されている。
東京スタジアムの集団下見が強行された翌日の4月27日には、都内の小学校で初の変異株クラスターが確認されたし、国立競技場で集団下見を行った5月10日には、新宿区の私立保育園で園児28人と職員9人の計37人のクラスターが確認されている。
そんな時期に、学校の教師を770人も集めて、東京五輪観戦に子どもを駆り出すための下見を行わせるとは……。無症状の教員からこの集団下見を通じて、別の教員にコロナが感染し、その教員が勤務先の学校に持ち帰って感染を広げる可能性だってゼロではない。
おまけに、この実地踏査に参加したほとんどの教員は、公共機関を使って、会場にやってきている。
いったいなぜ、緊急事態宣言中という時期に、わざわざ感染を拡大するような集団下見を実施しなければいけないのか。
この下見は一応「任意」とされていたものの、くだんの通知には「本日程以外に実地踏査をすることは困難」「会場内の動線や座席等を確認できる機会は、原則、今回が最後」と書かれていた。
ようするに、緊急事態宣言中、不要不急の外出自粛が呼びかけられているなかで、わざわざ“今回が最後の機会”などと脅して、半強制的に感染リスクを広げかねない集団下見に参加をうながしているのだ。
これだけをとっても、五輪がいかに特別視されているか、国民の健康被害より五輪強行が優先されているかがよくわかるが、もっと問題なのは、本番の五輪だろう。