復活優勝し東京五輪出場を決めると「五輪中止と池江璃花子に言えるのか?」と批判封じに
さらに今年4月の池江選手の復活劇も五輪強行の正当化に利用された。
池江選手は競泳の日本選手権で、池江選手が女子100メートルバタフライ決勝で3年ぶりの優勝を果たすなどし、リレーメンバーとして東京五輪代表入りを内定。白血病を乗り越えてのこの復活劇に感動した人は少なくないだろう。ところが五輪強行派たちはこの復活劇を、五輪反対の声を封じ込め五輪への機運を高めるのに利用した。ネットでは五輪強行派たちから「東京五輪開催に反対している人は、池江選手にそれを言えるのか?」という声まで噴出したのだ。
〈「東京オリンピックなんか中止にしろ」とか言ってる人たちは池江璃花子にもそう言えるのかい?〉
〈ほんとこれからオリンピック反対や中止を言ってた著名人の方々はどうするんですかねあんな素晴らしい奇跡を起こした池江さんに対して同じ事が言えるのかと〉
〈「オリンピックは中止したらいい」と言うコメンテーター。池江さんの前で言ってみろ。〉
ジャーナリスト・門田隆将氏は、〈池江璃花子選手の奇跡と涙は五輪が“勝負の世界に生きるアスリート”の為にある事をマスコミや反対勢力に教えた。アスリートの努力に敬意を払い、最高の舞台を用意したい〉とツイート。東京五輪はアスリートのためのものであり、開催に反対する者はアスリートの努力を踏みにじっていると主張した。
自身の政治的思惑で1年延期にこだわり現在の混乱を生んだ元凶である安倍晋三・前首相も、〈池江選手、本当におめでとうございます〉〈白血病から復帰し、オリンピックの代表へ。ここまで重ねてこられた努力は本当に並大抵のものではなかったと思います〉とねぎらい、〈そして、いよいよ夢の舞台。感動と勇気をありがとう。オリンピックでのご活躍を祈念しています〉とツイート。池江選手の感動的な活躍をもって五輪開催に弾みをつけようとした。
このように五輪強行派は、コロナ下で五輪反対の声が高まるなか、その批判の声を封じるために、池江選手の闘病と復活を利用してきたのだ。