ブラマヨ吉田は「コロナのイライラをぶつけている」 高須院長は「五輪はもともと女人禁制」
しかも、暗澹とさせられるのは、今回の問題が起きてもなお、こうした権力関係に気づかず、逆に無理やりな理屈で森発言を擁護し、森批判を封じ込めようという輩が多数出てきていることだ。
本サイトでは、橋下徹氏が「実行力では森さんしかいない」などと擁護してきたことを伝えたが、もっとひどかったのがブラックマヨネーズの吉田敬。吉田は9日放送の『バイキングMORE』(フジテレビ)で、「男でも話が長い人はいるし、(森会長は)何を言っているのかなとは思ったが『差別だ』とまではいかなかった」と言い、「(森会長は、組織委の)『女性が言うことは的を射ている』とまで言っている。そこは全然流れず『おかしい、辞めろ』とまでいくのはコロナのイライラをぶつけているのではないか」と述べたのだ。
森発言は「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」「女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないと」という意思決定の場から女性を排除しようとする正真正銘の女性差別発言であり、吉田がこれを「差別」だと受け取れないのはたんに差別に対する意識が低いだけだ。しかも、森会長は「的を射ている」と言う前に「みんなわきまえておられて」と口にしているように女を選別していることを露呈させているだけで、当然、その部分を含めて抗議の声はあがっている。それを差別を容認する自分の意識の低さからくる読解力のなさを棚に上げて、「切り取りだ」と言わんばかりに吠え、挙げ句「コロナのイライラをぶつけている」と言うのは、差別に暴論を塗り重ねているだけではないか。
まったく頭がクラクラしてくるが、しかし、このコメントが地上波の昼どきのワイドショーで平然と全国に流れるのが、この国の置かれた状況なのだ。
無論、このような意見は吉田だけのものではない。同じ吉本芸人のほんこんも、8日に〈森会長を批判している方は全文読んだのかな?〉とツイートし、この投稿には1.8万もの「いいね」がついている。さらに、高須クリニックの高須克弥院長も、7日に〈もともとオリンピックは女人禁制だったのに…。森会長はお気の毒だと思います。もういじめるのは止めてください。なう〉と投稿。8日には、森会長に処遇の検討を求めるネット署名がその時点で13万筆を超えたというニュースに対し、〈愛知県では『43万筆の大村知事リコール署名に不正の疑い』を報道しているのに、この森会長に抗議する13万人の署名が正確かのように報道する姿勢に皆さんが疑問を感じないのは不思議です。何故かな?〉などとツイートをおこなっている。
Change.orgでのネット署名は公的にも法的にも効力はないもので、あくまで草の根の声を届ける手段としてとられているものだが、不正には罰則も科されるなど選挙と同等の公的法的効力のある厳正なリコール署名と並べたうえ、しかも選挙管理委員会が不正を公表するという重大事に発展している問題の当事者が、森会長の署名報道に根拠もなくいちゃもんをつける……。このように、直球の性差別発言を非難しただけで、「全文読め」だの「切り取り」だの「署名が正確かどうかわからない」だのと批判されてしまうのである。