You Tubeチャンネルでの会見
昨日28日、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦と藤森慎吾が、今月いっぱいで吉本興業との契約を終了、退社することが発表された。
中田・藤森両氏が昨日、自身のYou Tubeチャンネルでおこなった会見によると、約3年前からYou Tubeなどネットでの活動へとシフトしていた中田は「事務所との接点が少なくなっていった」とし、昨年より吉本と話し合いをおこなってきたと報告。一方、藤森は中田の退社を今月上旬に知らされたといい、悩んだ結果、退社を決めたという。
意外だったのは藤森の決断だろう。藤森は近年、ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日)や『ネット興亡記』(Paravi/テレビ東京)に出演するなど俳優としての仕事も増えているが、一部報道によると、藤森に対しては〈吉本側の強い引き留めもあった〉(スポニチ28日付)という。バラエティにこだわらないのであれば、吉本を退社してもやっていけると踏んだのかもしれない。
一方、中田の吉本退社にかんして驚きはなかったはずだ。中田のYou Tubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」の登録者数は300万人を超え、2018年からはオンラインサロンをスタート。すっかりテレビではその姿を見ることはなくなっていた。
しかし、ここで思い出さずにはいられないのが、中田がテレビから姿を消したいきさつだ。
中田は前述したように、昨日の会見でも「2017年ぐらいですかね。なので3年ぐらい前から、独自でいろんな活動させていただいてまして」とテレビからシフトしていった経緯を語ったのだが、その2017年に起こったのが、「松本人志への謝罪」要求事件だ。
事のはじまりは同年2月、脳科学者の茂木健一郎氏が「社会風刺を芸に昇華させることが出来ない日本のお笑い芸人は、国際的な基準と照らし合わせるとあまりにレベルが低く、オワコンである」というようなツイートをおこなったこと。茂木氏の発言は当のお笑い芸人たちから猛反発を受け、なかでも『ワイドナショー』(フジテレビ)では茂木氏をゲストに呼び、なぜか松本人志に謝罪するという結果になった。
だが、この一件に対し、中田は自らのブログに「オリラジ中田、茂木健一郎の「お笑いオワコン論」支持!」と題した記事を投稿、こう書き綴ったのだ。
〈茂木さん負けるな!と思っていたところ、大御所の番組に出演して大御所に面白くないと言われ公開処刑をされてしまいました。
大御所にセンスがないとか価値を決められてしょげかえっている様子こそが茂木さんの意見通りだったのに。茂木さんの指摘、当たってたのに。なんで「ほら、これですよ」と言えなかったのだろう。まあ、あの場では言えないか。怖いですもんね。〉(2017年4月15日)
名指しこそしていないが、この「大御所」が松本のことを指しているのは一目瞭然だ。
だが、これに黙っていなかったのは、吉本の上層部だった。同年5月28日放送のラジオ番組『らじらー! サンデー』(NHKラジオ第1)のなかで、中田は「吉本の幹部と社長に、僕は(松本に)謝れと言われている」「すごいんですよ、騒ぎ方が。会社と先輩」と明かし、「僕の意思としては、謝らない」と述べたのだ。