感染防止より国民を感染に馴れさせる政策 最終的な狙いは東京五輪の強行か
少なくとも、安倍首相が感染症の類型の見直し、つまり新型コロナを指定感染症から外す、あるいはインフルエンザ並みにするよう要請していたのはほぼ間違いない。安倍首相は感染防止ではなく、国民を新型コロナ感染に馴れさせ、「新型コロナなんて大したことがない」という認識を広げさせる作戦に出ようとしているのだ。この背景にはもちろん、国の負担を抑え、経済活動を優先しようという思惑がある。
「2類相当」から外せば、入院費は全額公費負担とはならず予算を削らずに済む上、新型コロナへの国民の警戒感が緩和されれば経済活動に拍車がかかると踏んでいるのだろう。現に、「2類相当の見直し」について、内閣官房の幹部は「新型コロナに対する国民のイメージを変え、消費拡大につながる可能性がある」(読売新聞26日付)と語っている。
さらに、その先には、「インフルエンザでオリンピッックは中止にしない」という論理で、オリンピックを強行するという青写真があると思われる。
しかし、そのために国民の健康と命は深刻なリスクにさらされることになる。国民の同情を引いてから会見に出てくる姑息さだけでは飽き足らず、「第二波」がおさまらないなかで「やってる感」としてぶち上げる対策が、新型コロナの矮小化──。これがもし現実となれば、もはや正気の沙汰ではないだろう。
(編集部)
最終更新:2020.08.28 12:19