“フジのスシロー”平井文夫が「安倍さんは河井さんのこと嫌いだったから入閣させなかった」と眉唾解説
安倍首相は河井容疑者を嫌っていた……!? 河井氏が安倍首相の子飼いだったという話が山ほど語られているなかで、そんな話、聞いたことも見たこともなく、驚きのあまり顎が外れそうになったが、平井氏は平然とこうつづけた。
「なぜ、その河井さんを安倍さんが閣僚にしたかっていうと、河井さんは亡くなった鳩山邦夫さんの側近中の側近だったんですね。鳩山さんという人は、じつはお金がすごいたくさんあるんで、結構政界では大事な人なんですね。で、邦夫さんが安倍さんにお願いしていたんです、『うちの河井をよろしく』って。だけど安倍さんは嫌いだったから、ずっと入閣させなかったんだけど、邦夫さん亡くなったあとに、最後の最後になって、もうさすがに長いんで、入れてあげましょうって言って入れたと」
この平井解説委員の話に対し、MCの坂上忍は「もう、平井さんが話すと生々しい!」などと驚いて見せたが、この話は生々しいどころか、酷いホラ話だ。
河井容疑者が鳩山氏主宰の「きさらぎ会」に参加しているのは事実だが、2012年の総裁選において、安倍支持で「きさらぎ会」の票まとめに尽力したのが河井容疑者であり、だからこそ安倍首相は河井氏に目をかけてきた。実際、2015年10月の内閣改造では首相補佐官に引き立て、2016年6月17日付の日本経済新聞では「首相支える「黒子」5人衆」のひとりとして河井容疑者が紹介されているほどだ。嫌っている人物を、どうしてわざわざ側近に据えるだろうか。
だいたい、安倍首相が河井容疑者を法相に任命したことは事実であり、嫌っていたからといって任命責任がなくなるものではまったくない。しかも、河井案里容疑者の選挙には安倍首相の地元事務所の秘書が少なくとも4人、指南役として投入されていたのだ。
それを、「安倍首相が河井氏の辛辣な悪口を言っていたらしい。ただしその中身は言えない」などという眉唾モノの話を語って任命責任を矮小化しようとは……。これが、フジテレビを代表する「上席解説委員」による解説なのだから開いた口が塞がらない。
しかし、こうした御用ジャーナリストによる安倍擁護が平気で垂れ流されることよりも、もっと酷いことが起こった。それは、河井夫妻の逮捕から一夜明けた翌19日の、ワイドショーの放送内容だ。