『ワイドナショー』番組HPより
「桜を見る会」をめぐってみっともない言い訳をしているのは安倍首相だけではないらしい。この問題は、出席していた芸能人にとっても黒歴史化。ワイドショーや情報番組では、出席経験者はバツが悪いのか、出席したことのない芸能人も出席した者を表立って批判したくないのか、「出席した芸能人がかわいそう」「芸能人は悪くないのに」と被害者ヅラ、同情論ばかりが聞こえてくる。
たとえば太田光は、17日放送の『サンデージャポン』(TBS)で「(桜を見る会を)やめないで、来年また安倍さんやってほしいんだよ俺は。で、また俺を呼んでほしい」「ここでやめちゃうとなんか、俺らがみんな悪いことしたみたい」などと言い出す始末だった。
17日放送『ワイドナショー』(フジテレビ)も、「桜を見る会」問題を扱ったのだが、ここでもやはりゲストのバカリズムが「参加した芸能人がかわいそう」と言うと、松本人志も同調、「呼ばれたタレントは、再来年、なかなか行きづらいよねえ」と再来年の「桜を見る会」の心配までしてみせた。
さらに東野幸司は「桜を見る会」に便乗して、例の「ワイドナショー御一行と安倍首相との会食」ついてもこんなことを言い出したのだ。
「(桜を見る会には)行きづらいし。こんなこと言ったらなんですけど、安倍さんと我々とスタッフで食事会してるんですよ。それもなんかね、食事会してるから、なんか忖度してるんちゃうかって言われるのも違うし。金額も、フジテレビと向こうとちゃんと折半してるし。まあ、我々一銭も払ってませんけど(笑)。隠してるように思われるのも違うし。芸能人と政治家は難しい」
「安倍さんと我々とスタッフで食事会」というのは、言うまでもなく、2017年12月15日夜に松本人志、指原莉乃、古市憲寿、東野幸治の『ワイドナショー』出演者御一行が安倍首相と焼肉会食した一件のこと。だが、驚いたのは、今回、東野が会計について、「金額も、フジテレビと向こうとちゃんと折半してるし。まあ、我々一銭も払ってませんけど(笑)」と言い出したことだ。
え? 一銭も払ってない? ちょっと待ってほしい。会食後の2017年12月24日放送の『ワイドナショー』で、会食について、松本はこう弁明していたはずだ。正確に書き起こそう。
「雑談で、他愛もない話して、割り勘で帰っただけなんですけどね。最初で最後でしょうしねえ。なんかそういうふうに(批判的に)言われてしまうんですね」
松本は「割り勘」とさも自分の分は自分がきちんと支払ったように言っていたが、折半したのはフジテレビで自分たちは一銭も払っていなかったのである。
「自分たちの食事代をフジテレビが払って当たり前」「フジテレビの財布は自分の財布」と思っている松本らの金銭感覚や癒着ぶりにも呆れるが、この人たち、もしかして実際は安倍首相におごってもらっていた可能性もあるのではないか。
というのも、東野の言うように安倍首相とフジテレビで「折半」だとしたら『ワイドナショー』側のほうが人数がはるかに多く、実質的に首相側が多く払っていることになるからだ。
いや、そもそもフジテレビが本当に半分出していたのかどうかすら、はっきりしない。今回の東野の説明を聞く限り、松本らは会計に立ち会ったわけではなく、フジのスタッフ任せで、あとから報告を受けただけという可能性が高いからだ。問題になったため、フジのスタッフが払ってもないのに、松本らに「折半でした」と嘘をついた可能性だってゼロではない。