安倍首相が“性的マイノリティを認めるなら痴漢の触る権利も保障せよ”の小川榮太郎と電話
それは、小川榮太郎氏が昨日、こんなツイートをおこなったことで明らかになった。
〈【櫻を見る会中止】があまりに早いので安倍総理に(珍しく)電話で真意を確認した〉
小川氏といえば、自民党・杉田水脈衆院議員の“性的マイノリティには生産性がない”という差別言説を“性的マイノリティを認めるなら痴漢の触る権利も保障せよ”なるヘイトの上塗りで擁護した人物だ。強烈なヘイト&性差別主義者だという事実が広く知れ渡り、金銭トラブルなどから右派界隈でも批判を浴びているこんな人物といまだに電話で会話する付き合いをつづけていること自体、どうかしているとしか言いようがないが、小川氏は〈安倍事務所に違法性もなく、何らの瑕疵がある訳でもない〉だの〈安倍政権後半人数が急増しているが、鳩山政権でも後援会関係者との写真撮影は30分近い。今回騒がれているのとほぼ同人数であろう〉だのと一方的な擁護を書き連ねる。そしてこんな安倍首相との会話を公開するのだ。
小川「こんなにすぐに中止すれば、また「疑惑は深まった」とやられるんじゃありませんか」
安倍「それはそうだけど、こんな状況では参加者が委縮してしまうから……。ブログから何から追跡されて嫌がらせされたりが続くわけだからさ」
小川「しかしそれでも判断が早すぎたのでは?」
安倍「予算執行の決断をしなければならないから今判断する必要がある」
自民党議員が嬉々として後援会員を招待したことを誇っていたブログを追跡することが「嫌がらせ」って……。だいたい、安倍首相がどういう理由で何人の後援会関係者を招待したのかなど説明していれば済んでいた話ではないか。しかも中止の判断を「予算執行の決断」などともっともらしく語っているが、たんに逃げ切れないと踏んで幕引きを図っただけなのは誰の目にもあきらかだ。
つまり、小川氏との会話からもよくわかるように、いまだに安倍首相は何一つ反省していないのである。そもそも、反省しているのならば、国民への説明を果たさない状態で小川氏にベラベラと話をすることもないのだ。
しかも、小川氏と話をしたのも、自分を擁護してくれる相手だからだ。実際、小川氏は安倍首相との会話を披露したあと、こう綴っている。
〈つまりこういう事だろう。今の一部マスコミと野党のやっている事は単なる嫌がらせである。〉
〈嫌がらせそのものが目的なのだから、中止を引き延ばして予定額での予算が執行されようものなら、過去の参加者への嫌がらせが拡大し、数百人、いや数千人の個人情報が暴露されたりリベラルの強い職場などでは深刻な目にあう人も出てくるだろう。〉
〈来年の招待時期になれば、また嫌がらせを復活させてくるだろう。折角のおめでたい会なのに、招待者らに嫌な思いをさせるのが確実なので――要するに野党とマスコミは嫌がらせそのものが目的なのだから――中止をした。
簡単に言えばそういう事だと私は解した。〉
〈早急な総理の中止判断は敵を勢いづかせるのだから、安倍氏としては暫くの間、一人で針の筵に座る事になる。嫌な選択肢だろうが、法的、倫理的瑕疵はないので、不特定多数の人々への嫌がらせを防ぐために、一人で悪評を引き受けましょうという訳であろう。〉
安倍首相が何百人という大規模接待を公金でおこなうという「私物化」によって問題を引き起こしたというのに、応援団にとっては「リベラルの嫌がらせ」「安倍首相は一人で悪評を引き受けた」ことになるらしい。まともにツッコむ気にもなれないが、こういう擁護を期待して、安倍首相は国民より前に小川氏に言い分を垂れ流したのだろう。
もはや呆れ果てるほかないが、「桜を見る会」に持ち上がっているさまざまな違法疑惑に対し、説明ができるのは安倍首相だけだ。与党は予算委員会での集中審議開催を拒否しているとも伝えられているが、やましいことがないのであれば、お友だちに対してだけではなく、堂々と国会に出てきて説明してもらおうではないか。
(編集部)
最終更新:2019.11.15 10:59