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台風被害のさなかに「天皇の即位礼」を大々的に開催する必要はあったのか? 式典関連予算は平成よりはるかに多い160億円

台風被害のさなかに「天皇の即位礼」を大々的に開催する必要はあったのか? 式典関連予算は平成よりはるかに多い160億円の画像1
政府広報オンラインより


 本日、宮殿の松の間で「即位礼正殿の儀」が行われている。一連の天皇代替わり関連儀式の中心のひとつで、海外から多くの要人を招き、新天皇の即位を宣言する。テレビなどのマスコミは“お祝いムード”一色だが、改めて考えなくてはならないのは、本当にいま、これほど大掛かりな儀式が必要なのか、ということだ。

 ひとつは、拡大している台風の被害だ。昨日の時点で、約4000人の人々が避難所での生活を余儀なくされているが、今日の「即位礼正殿の儀」のためには多大な経費と人員が裂かれ、自衛隊も動員されている。災害よりも、そちらを優先させるべきなのだろうか。外交の関係上、中止までは無理だとしても、少なくとも内容を簡略化するというのは十分に考えられたはずだ。

 先日、即位パレード「祝賀御列の儀」が台風19号の被害に配慮して延期になったが、この延期は新天皇の強い希望によるもので、安倍政権、首相官邸はギリギリまでパレードを予定通り強行しようとしていた。実際、菅義偉官房長官は15日の記者会見で、パレードの準備を「淡々と進めていきたい」と延期するつもりがないことを明言。翌16日の会見でも、開催の是非を問われて「昨日、私が申し上げた通り」と答えた。それでも、天皇の抵抗は強く、頑として首を縦に振らなかった。そして、報告を受けた首相官邸もようやく説得を諦め、17日なって、延期を判断したというのだ(過去記事参照)。

 つまり、天皇自身が被災者を配慮してパレードを延期しようとしているのに、国民の側に立たなければならないはずの安倍首相や菅官房長官は、被災地のことなんて全く無視してパレードを強行しようとしていたのである。今日の「即位礼正殿の儀」を強行したのも、官邸の強い意向だ。

 しかも、儀式には、自衛隊が安倍首相の万歳三唱の掛け声に合わせ、即位を祝う空砲が発射される。陸上自衛隊の部隊が派遣され、専用の105ミリ榴弾砲を撃つのだが、空砲は事前に入念な訓練を重ねており、それだけでも数十〜百人の自衛隊員が使われている。警備も、警視庁が最高レベルの警備態勢である「最高警備本部」を設置し、厳重な警戒態勢が敷かれている。報道によれば、最大時には全国から集められた約2万6000人の警察官が警戒にあたるという。

 関連経費も莫大だ。昨年度予算と今年度予算に計上された皇位継承に伴う式典関係費は160億円超。これは、平成時の代替わりと比べて3割も増えている。きょうの「即位礼正殿の儀」だけでも17億円が費やされる。今夜には国内外の参列者らを食事等でもてなす「饗宴の儀」を行われるが、これは25日、29日、31日と4回に分けて行われ、経費は4億6000万円だ。それとは別に、招待した194カ国からほとんどが参加する賓客についても、滞在関連費として外務省が50億円を計上している。列島を台風が遅い、何千億円もの被害が出ているなか、これだけの費用をかけなければならないのか。

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