被害女性が告発しても動かず「週刊文春」の取材で慌てて処分したテレビ朝日
さらにもう一つ、気になるのが、テレビ朝日がこのセクハラを一時、もみ消そうとした疑いがあることだ。実は、桐永氏のセクハラはかなり前に告発されていた問題だという。被害を受けた女性は当初、『報ステ』の番組幹部に相談したが、口止めされただけで取り合ってもらえなかった。それで、女性たちはコンプライアンス室に訴え出たのだが、コンプライアンス室も積極的に動こうとしなかったという。
ところが、先週の木曜日に「週刊文春」がこのセクハラ問題をキャッチ。取材に動き始めたところ、その翌日に冒頭のような懲罰委員会による処分が発表されたのだ。
「局内には、『文春が動いたから慌てて処分しただけで、もみ消すつもりだったんじゃないか』という疑心暗鬼の声が広がっています。しかも、その処分も名前や肩書きを出さず、謹慎期間はわずか3日間。降格や更迭ではなく異動という扱い。上層部の中にはこの期に及んでなお、早河会長を忖度して、桐永さんを守ろうとする動きもあるほどです」(テレビ朝日関係者)
テレビ朝日では、最近も小川彩佳、宇賀なつみ、竹内由恵ら女性アナウンサーが次々退社していることが話題となったが、もともと女性に対するセクハラ、男尊女卑体質が根強いテレビ業界にあってテレ朝も例外ではないといわれる。しかも、それに加えて、早河会長の独裁で、「上の覚えがめでたい人間ばかりが出世しちょっとでも逆らうと飛ばされる」(テレ朝関係者)という、不公正な人事がエスカレートしている。今回の桐永プロデューサーの問題はまさに、こうしたテレビ朝日の体質が生み出したものなのだ。
そういう意味では、今回の問題をたんに桐永プロデューサー個人の問題に終わらせてはならない。テレビ朝日という組織と上層部の責任を徹底的に追及すべきだろう。
(編集部)
最終更新:2019.09.01 07:40