松本や大御所芸人の吉本擁護きっかけに御用マスコミが再び宮迫批判
どうだろう。ここまで見てくれば、今回の問題が「宮迫や亮が反社グループに闇営業に行ったことが本質」「最も悪いのは最初に嘘をついた宮迫たち」というような話でないことは明らかだろう。
問題の発端は吉本興業か会社としてこの反社会勢力グループがスポンサーになったイベントに関わったことであり、宮迫たちの嘘を広く世間に流通させ、事実の解明を遅らせたのも吉本だった。繰り返すが、今回の問題の本質は、最初から最後まで、吉本興業という企業の構造や体質にあるのだ。
しかも、多くの芸人が声をあげ始めた契約の問題にしても、元東京地検検事の郷原信郎氏が指摘しているように、下請代金支払遅延防止法違反や独占禁止法違反の可能性がある。
バラエティだけでなく、ワイドショーや情報番組にも多くの芸人を送り込み、政権と一体化して公的な仕事の受注や巨額の補助金を受け取っている企業がこんな問題を抱えているのだ。一芸人の反社パーティ参加などよりも大々的に追及しなければいけないのは当然ではないか。
にもかかわらず、ここにきてワイドショーのコメンテーターたちが「会社の責任を問うのは、問題の本質からずれている」「そもそも悪いのは宮迫や亮」といった意見を口にし、大御所芸人らの吉本上層部擁護、若手芸人への恫喝が大きくとりあげられ始めたのは、吉本興業と御用マスコミが批判を封じ込め、現体制を存続させる方向に誘導しようとしているからだ。
ロンブー亮が会見で明かした「在京5社・在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫」との言葉どおり、テレビ局と吉本はズブズブの一体関係、共犯関係にある。いや、テレビだけではない。スポーツ紙もすべて、吉本興業の現在の上層部とズブズブだ。
宮迫と亮の会見直後や、岡本社長の会見直後は、世論の目を恐れて、さすがに吉本をかばうトーンは抑えめだったが、松本人志や大御所芸人たちの発言、ネットの声などをきっかけに、一気に、批判封じ込め、現体制擁護に動き始めたということだろう。
「闇営業問題 “エンタメ化”の危険性 「芸人VS吉本興業」に関心集中」(「ORICON NEWS」7月24日)などと良識派ぶりつつ報道を沈静化し問題をなかったことにしようとするようなネット記事やワイドショーコメンテーターも、目立っているが、これも明らかに、中身を見ると、吉本を擁護するために書いているとしか思えないものだ。