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「相次ぐ高齢者ドライバー暴走事故はプリウスのせい」説は本当か? トヨタタブーで検証放棄するマスコミの体たらく

ブレーキトラブルの報告が突出して多いプリウス

 実際、国土交通省の「自動車リコール・不具合情報」サイトで報告されているプリウスおよびプリウスα、プリウスPHVの「ブレーキ装置」の不具合情報を2014年から2019年4月30日現在で調べると、実に75件もヒットする。そのなかには以下のように大惨事を引き起こしかねないケースもあった。

〈ブレーキアクチュエーターの不良により、高速道路を走行中に突然メーターに赤いランプが5つ点灯し、ピピピという警告音が鳴ってブレーキが効かなくなったため、エンジンブレーキで減速しつつ、最後はブレーキペダルを目一杯踏みながらパーキングボタンを使って避難帯へ停車した。〉(2019年4月、大阪)
 
〈走行中に突然警告音が鳴り、ブレーキが効かなくなった。運よく30km/hで走行していたのと、前車との距離がかなり空いていたので、ブレーキペダルを思いっきり踏み込んだら、横滑りしながら辛うじて前車と僅か2~3cmのところで停車した。〉(2018年6月、福岡)

〈公共施設の駐車場から発進して反対車線に出るべく転回中、切り返すためブレーキを踏んだが車両は停止せず、その後強くブレーキを踏み続けたにもかかわらず、反対側の角の生け垣に突っ込んで、ようやく停車した。結果、バンパー他車両前面が破損した。低速にも拘らず、プリクラッシュセーフティシステムは作動せず衝突後に「ブレーキ」という警告表示が運転パネル上に現れた。障害物センサーの警告音は衝突前に間欠音が1回鳴ったのみで、衝突して停車後に連続音が鳴った。〉(2017年10月、神奈川)

 他にも「ベタ踏みしても抜けてしまいブレーキが一切効かなくなった」などブレーキトラブルの報告が数多く存在している。

 一方、プリウスと同程度売れている他の車種はどうか。たとえば、トヨタのアクアは2014年以降の新車販売台数でプリウスに匹敵する人気車種だが、同じ期間に報告されたブレーキ不具合は、実に12件しかなかった。また、2018年の年間新車販台数でプリウスとアクアを上回った日産のノートおよびノートe-POWERシリーズを見てみると、ブレーキ不具合の報告は22件だった(2014年〜19年4月30日現在)。もっとも、現役で走っている型(世代)や台数が異なることは考慮するべきだが、それにしても、プリウスのブレーキトラブルの報告数は明らかに抜きん出ていると言えよう。

 なお、プリウスをめぐっては2018年10月、トヨタがハイブリッドシステムの異常を判定する制御プログラムが不適切であり、急加速時などに走行不能になる可能性があるとして、プリウス、プリウスα、ダイハツ・メビウス(製造はトヨタ)の計124万9662台のリコールを国土交通省に届け出た。これは、急加速時等の高負荷走行中に昇圧回路の素子が損傷した場合、フェイルセーフモード(故障時に自動的に減速するなど不具合を最小限に抑えようとする機能)に移行できない危険性があるからというものだった。

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