フジテレビホームページより
V.I(元BIGBANG)による売春斡旋疑惑、パク・ユチョン(元JYJ、元東方神起)の覚せい剤使用疑惑など、K-POPアイドルをめぐるスキャンダル報道が日本のワイドショーでも連日報道されている。
ユチョンの問題は元婚約者である財閥孫娘と警察権力との癒着、またV.Iについても彼が理事を務めるクラブ「バーニング・サン」で起きた暴行事件などに関する捜査の揉み消しや、警察署署長クラスの人物との癒着が疑われるなど、単なる芸能界のいちスキャンダルではなく、韓国の社会構造そのものが問われる問題ではある。
それにしても、この報道量は過剰だろう。一体なぜ日本のワイドショーが、韓国の芸能界のスキャンダルをこんなに毎日報道しているのか?
「いま韓国アイドルは日本でも人気が高いから」と言うかもしれない。たしかに、現在日本ではK-POPアイドルが欧米や日本のアイドルをしのぐほどの絶大の人気を誇っているのは事実だ。しかし、それはテレビの外の話だ。本サイトでも報じたことがあるように、ネトウヨからの炎上攻撃を恐れたテレビ局は地上波の音楽番組やバラエティから多くのK-POPアイドルを排除している。
にもかかわらず、不祥事となったら連日、大量に報道し続ける。これはあまりにもバランスがおかしいだろう。
しかし、テレビから排除する一方、不祥事だけは嬉々として報じるというのは、実は表裏一体のものだ。それは報道ぶりを見ればよくわかる。
たとえば、5月14日放送『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)。V.Iの拘束前被疑者尋問を伝えたニュースのなかでMC陣はこのように発言していたのだ。
高橋克実「組織的なものに対して、警察が揉み消すというかね、そういうものっていうのは、日本でも昔の物語なんかでは見たことがありますけども、映画とかでね、ありますけれども、そういうのがここでまだあるのかっていうね」
安藤優子「本当に遠い昔ね、反社会的勢力と警察が手をとって癒着関係にありながら地域のバランスをとるみたいなことは過去に日本でもあったことですけれども、それがいま韓国で起こっているとしたらば、もうビックリ!って感じですよね」
5月2日放送『バイキング』(フジテレビ)では、今回の騒動があったとしても一部の特権階級と警察の癒着構造が変わるのは難しいのではないかという金慶珠氏の見立てを聞いたMCの坂上忍が笑いながら「ちょっと待ってよ〜。変えてよ〜。なんとか」「なんかこれきっかけにね、仲の良い隣国としてちょっといい方向にいい方向に行ってくれればなと思ってたんですけど、金さんけっこう冷めてるからちょっと困っちゃうんだよな」と発言。
「先進国気取り」の「上から目線」だが、日本でも、安倍首相の御用ジャーナリスト・山口敬之氏が準強姦容疑で逮捕状が出ていたにも関わらず、直前でストップがかかったという“逮捕もみ消し”疑惑が起きたのはつい数年前。いまだ解明されていないのだが……。
『グッディ』『バイキング』に限らず、『とくダネ!』(フジテレビ)や『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)などのワイドショーでも、韓国芸能界の闇、財閥と公権力の癒着などについて「こんなことするんですか、韓国は!?」「韓国はこれが普通ですか!?」「日本では普通は考えられないですね」などと蔑視目線まるだしで声高に騒いでいる。
でも、ほとんど日本社会や、日本の芸能界にもある問題なんですけど……。