部屋にあった元谷代表の新著に「メディア規制」と「北朝鮮への空爆」の主張
妄想世界で生きているとしか思えないようなリビジョニストっぷりだが、同書には従来同様、ご丁寧にも英訳がつけられており、ほかにも“真珠湾攻撃はルーズベルトの自作自演”とか“先の大戦は日本を叩く白人国家の謀略だった”というような例の陰謀論が繰り返されている。
前述した外国人観光客がこういう元谷代表の主張を読んだかと思うとぞっとするではないか。
しかも、これら元谷氏の本に顕著なのは歴史修正主義だけではない。安倍政権の擁護・絶賛を連ねて“安倍首相による改憲”の必要性をこれでもかと訴えているのだ。
〈日本が中国に支配される平和ではなく、力の均衡による平和を維持していくためにも、安倍政権の下で憲法改正を実現し、日米同盟を片務的なものから双務的なものへと変えることで、真の独立国家とならなければならない。〉(『理論近現代史学III』)
〈安倍首相には、自虐的メディアを規制して、支持率を高め、是非来年の総選挙に勝って三期九年の任期を得て、改憲に邁進してもらいたいと、切に願っている。〉(『理論近現代史学IV』)
あろうことか、“政権に批判的なメディアを規制しろ”とまで主張する元谷代表。さらに、『理論近現代史IV』にはこんな記述もあった。
〈私は朝鮮半島核危機の日本にとっての最善の解決策は、常々主張しているようにアメリカが公開限定空爆を行うことだと思う。〔中略〕安倍首相がトランプ大統領に言うべきは、朝日新聞の社説とは正反対のことなのだ。そうしなければ、世界で唯一の被爆国である日本は、三発目の核攻撃を受ける脅威を未来永劫感じ続けなければならない。もし破壊が叶わないのであれば、日本も核武装をする必要がある。〉
なんと“トランプ大統領に北朝鮮の公開限定空爆を進言すべきだ”などと主張していたのだ。
なんどでも繰り返すが、こんな“極右・歴史修正主義”丸出しの政治的主張をするホテルが日本の政治機能が集中する地のど真ん中、首相官邸や国会議事堂の真裏にオープンしたのである。客層を考えれば、「日本はリビジョニストの国」という悪いイメージが世界中に広がりかねないだろう。