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アパホテルが官邸・国会そばの新ホテルから歴史修正主義を発信! 自民講演で安倍絶賛のバノンもPRに協力

アパホテルが官邸・議事堂の裏につくった新ホテルに泊まってみた! 日本の中心で歴史修正主義を発信の画像1
「最上級グレード」を謳うアパホテルプライド国会議事堂前、オープン初日に行ってみた


 これぞ「日本の中心で歴史修正主義を叫ぶ」ってヤツだろう。あのアパホテルが3月19日、新たなホテルをオープンさせた。「アパホテルプライド国会議事堂前」。その名の通り、国会議事堂や首相官邸の真裏、議員会館までも歩いて1分ちょっとという立地。「全客室の高級化」「アパホテル最上級グレード」を謳った、アパのなかでももっとも高級なホテルの第一弾らしい。

 しかし、アパグループといえば、田母神俊雄サンや自民党の杉田水脈衆院議員らを輩出した「真の近代史観」懸賞論文の主催で知られる“極右界隈のタニマチ”。そして、アパグループ代表の元谷外志雄氏自身もゴリゴリの右派歴史修正主義者で、2016年には、その元谷氏が「南京虐殺はなかった」などと主張した歴史修正本がアパホテルの客室に設置されていることを外国人観光客が指摘、国際問題に発展。さらに、その後はユダヤ陰謀論まで展開し、海外メディアで批判を浴びた。

 そんなアパが、日本の政治機能の中心地にホテルをおっ立てたのである。立地を考えると、このホテルには、首相官邸や議員会館に出入りする人間が数多く宿泊するはずだ。要人はさすがに利用しないだろうが、海外の政府関係者やジャーナリストが泊まる可能性もあるだろう。もし、アパがこのホテルにまで例の元谷本を置いていたら、日本の政治の中心から世界に向けてリビジョニズムが発信される恥ずかしい事態になりかねない。大丈夫なのか、と心配になり、オープン初日、一般客として宿泊してみた。

 ちょうど日が落ちた永田町。デモで賑わう議員会館の前を通り、国会議事堂を望む交差点の坂を下ると、「APA」の文字が光る真新しい建物が見えてくる。玄関前には、ホテル開業を祝う花、花、花。だが、気になったのは、祝花の送り主にマスコミの名前がたくさんあったことだ。思想が一致している産経新聞はもちろん、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビ、読売テレビ、毎日放送といったキー局の名前まであった。

アパホテルが官邸・議事堂の裏につくった新ホテルに泊まってみた! 日本の中心で歴史修正主義を発信の画像2
マスコミからの祝花の一部

 アパがマスコミに大量の広告を出稿するスポンサーであることは知っていたが、社会の公器たるテレビ局が歴史修正主義を拡散するホテルにここまで露骨にしっぽをふっているとは……。こみ上げる怒りをなんとか抑えて、建物のなかへ入っていく。

 すると、目の前に広がったのは、まさに「最上級グレード」な空間……と言いたいところだが、ウェスティンとかハイアットみたいなの想像してはいけない。ロビーも広くはないし、チェックインシステムは機械化され、インテリアも普通のアパホテルより豪華という程度。ようするに“ゴージャスなビジネスホテル”という感じである。

 ただ、やたら目立っていたものがふたつあった。ひとつは、シャンデリア。不似合いなくらい派手なシャンデリアが、エントランスとロビーにたくさん吊り下げられている。

 そしてもうひとつは、ロビーのど真ん中にあった。大きな台がしつらえられ、そのうえに、例の元谷代表が「南京虐殺はなかった」という主張をした「藤誠志」名義の著書『理論近現代史学』シリーズが、ズラリと陳列されていたのである。

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ロビーの中央には元谷代表の『理論近現代史学』シリーズ


 まるで宿泊客を出迎えるようかのように存在感を発揮しているこれらの本は、フロントに聞くと誰でも購入可能だという。前述したように、アパは元谷氏の著書を客室に置いていたことで国際問題化したが、その際もHPで“反論声明”を出し、撤去を徹底拒否していた。しかし、まさか「ロビーの中心で歴史修正主義を叫ぶ」ところまでエスカレートしていたとは……。

 当日、ロビーには観光客とみられる欧米人やアジア系の人々もいたが、彼らの目に、これらの歴史修正本はどのように映っていたのだろうか。

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