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NZモスク銃撃事件容疑者が「日本の多様性のなさ」を賞賛! ノルウェー連続テロ犯人は「麻生太郎に会いたい」

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安倍晋三twitterより


 ニュージーランドのクライストチャーチで引き起こされた銃乱射事件。オーストラリア国籍の男が2箇所のモスクを襲撃し、イスラム教徒の移民や難民を中心に約100名の人々を死傷させた。容疑者は犯行の模様をインターネットで中継。SNSに投稿した声明には、白人至上主義と差別主義が強くあらわれていた。差別思想に基づく劇場型のヘイトクライムだ。

 各国と比較してイスラム教徒が少ない日本だが、クライストチャーチでの凶行は他人事ではない。実際、容疑者の男の犯行声明からは、日本のレイシストとの共通点が確認できる。

 たとえば、容疑者は「レイシスト」や「ファシスト」あるいは「民族ナショナリスト」(ethno-nationalist)を自認し、〈自分たちの人種の健康と幸福を重視し、それ以外の人種の上に置く〉などと述べる一方、自らを〈28歳の普通の白人男性〉〈普通の家庭に生まれた普通の白人〉と記している。

 一方、日本のレイシストやネット右翼たちも、SNSでは「ごく普通の日本人だ」と名乗りながら、嫌韓・中のヘイトスピーチを撒き散らし、在日コリアンや移民の排除・虐殺を扇動している。彼らが「普通の」という言葉で強調するのは、ダイバーシティ(多様性)の否定だ。つまり、ルーツや出身国によって「普通でない人」なるレッテルを貼り、自分たちが「普通の人」だとして排撃を正当化するのである。

 事実、容疑者は〈ダイバーシティは力ではない。統一性、目的、信頼、伝統、ナショナリズムと人種的ナショナリズムこそが〔国家に〕強さをもたらす。他のものはただのキャッチフレーズに過ぎない〉〈ダイバーシティは弱みであり、統一性こそが強みなのである〉と主張している。移民たちを白人社会に対する「侵略者」と位置付け、多様性を尊重する社会を明確に攻撃するのだ。

 また、犯行声明のなかには「日本」に触れている箇所もあった。容疑者は〈世界の「ダイバーシティ」な国々は社会的、政治的、宗教的あるいは民族的な紛争の舞台となっている〉と主張して、〈西洋の国々に力をもたらすもの(ダイバーシティ)が、東洋の国々(中国や日本、台湾、韓国)に力をもたらさないのはなぜか〉と述べる。そして、〈今世紀、世界の覇権を握ろうとしている国・中国が、ダイバーシティが欠如しているにもかかわらず、どれほど強力なことか。なぜ、これら多様性のない国々が、とても多くの様々な指標で見ても我々よりも栄えているのか〉と続けている。

 どうやら容疑者は、日本や中国など東アジアの国々をひとくくりにして“単一民族国家”、“多文化否定国家”ないしは“民族的・宗教的マイノリティを弾圧する国家”だと捉えて、憧れていたようだ。無知や誤解に基づく乱暴な思い込みも感じるが、しかし、少なくとも日本については、容疑者から「多様性のない国」と賞賛されても仕方のない部分があるのかもしれない。

 排外主義や歴史修正主義、マイノリティ差別は多くの国の極右勢力にみられる共通点だが、日本はその極右勢力と政権が一体化しているからだ。「日本は単一民族国家である」「神の国である」と主張する日本会議や神社本庁、そして「中国や韓国に日本が乗っ取られる」と、今回の容疑者と同様の主張をわめくネトウヨたちが安倍政権を支え、安倍政権もまた、その意向を意識した政策を推し進めている。

 そのことを如実に物語っていたのが、今回のNZモスク銃撃事件に対する安倍首相の反応だ。今回の危険に関して、安倍首相が出した声明は各国首脳と明らかに異なるものだったのだ。

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