水増し請求しても契約を切られなかった警備会社にちらつく政治家の影
基地に反対する市民を“監視”するためのリストを作成していたライジングサン社に、警視総監にまで登り詰めた“公安警察のエース”が顧問として天下りしていた──。ようするに、こうした会社が警察庁公安部や沖縄県警警備部、防衛省と“連携”してリストを作成していた可能性が高いのだ。
そもそも、ライジングサン社をめぐっては、前述したように、海上警備にあたった人数を水増しして防衛省に約7億4000万円を過大請求していたという問題も引き起こしている。これは2016年1月に従業員が沖縄防衛局に内部通報したことによって判明したが、この過大請求の事実を把握したあとも沖縄防衛局はライジングサン社との契約を解除せず、2017年12月まで契約をつづけたのだ。不正な請求をした会社と契約をつづけるという異常な事態には政治家の介入があったのではないかと指摘する声も出ていたが、官邸の意向のもと、警察や防衛省と結びついて不当に市民の個人情報を“共有”していたとなれば、それも当然だろう。
ともかく、国が基地に反対する一般市民を“監視対象”にしてリスト化するなど、民主主義国家であってはならない問題だ。今後、公安警察や防衛省がどこまで関与していたのか、追及をつづけたい。
(編集部)
最終更新:2019.01.30 12:14