関係改善の糸口をつかませないようにしているのは安倍政権だ
韓国世論からの強烈な反発は避けられたはずなのに、あえて挑発し全面対立に持っていく。そして、メディアを“嫌韓ムード”一色に染めたうえで、毅然と立ち向かう姿を演出する。ほとんど“自作自演”ではないか。
その意味では、韓国の李洛淵首相が10日に「最近、日本の指導者らが国内政治的な目的で自国民の反韓感情を刺激し、利用しようとしているとの見方が韓国にある」と述べたのは、実際、そのとおりとしか言いようがないだろう。
重要なので繰り返すが、韓国政府側は明らかに日本とこれ以上の関係悪化を望んでいない。事実、文大統領も会見での「韓国にも三権分立がある」発言の後、「政治的な攻防のイシューとみなして未来志向的な関係まで損なうのは、非常に望ましくない」と呼びかけている。
むしろ、関係改善の糸口をつかませないようにしているのは安倍政権のほうなのだ。何度同じ手をくらったら、目がさめるのか。いい加減、マスコミもわたしたちも気がつくべきだろう。
先に触れた長尾敬議員の「韓国は常軌を逸した国」「渡航を控えよう」とのツイートは、単なるはねっかえりのネトウヨ議員の妄言ではない。安倍首相がこの間やってきた、自作自演じみた政治利用の手法の“エピゴーネン”なのである。それを批判もせず煽り続けるマスコミ。煽られるがままに踊る国民。このまま誰も止めなければ、本当に取り返しのつかないことになる。
(宮島みつや)
最終更新:2019.01.12 09:02