柴山文科相が東京医大の女子再不合格問題を理不尽擁護
東京医大は2017・18年度の入試で、当時の合格ラインを超えていたにもかかわらず、不正があったために不合格とされた女子や浪人年数の長い男子受験生101人(うち女子は67人)に対し、入学の意思確認を実施。同大は「募集人員に達した場合には、不合格となる可能性がある」とし、101人全員が入学の意思を示した場合の追加入学者の予測値を63人としていた。
だが、東京医大は7日、101人のうち入学の意思を示した49人について、〈募集定員から、再判定でも合格した「正規合格」の在校生を引いた数を追加合格の「上限」とした〉結果、44人の追加合格を認め、女子5人を再び不合格にしたのだ(朝日新聞12月8日付)。
不正をおこなったのは大学側なのに、またも勝手な方法・判断で合格ラインを超えていた受験生を翻弄し、女子5人の合格を認めないとは、二重で女子受験生を踏みにじったと言うほかない。実際、「医学部入試における女性差別対策弁護団」も、〈大学側の不合理な差別と、その差別が発覚した後もなお大学側の都合を優先する扱いに振り回されたというべきであり、その痛手は計り知れません〉とコメントしている。
しかし、この5人の女子を再び不合格とした東京医大の判断に対し、柴山文科相は会見で「文科省としては、大学の判断を尊重したい」と擁護。この発言に非難の声があがると、柴山文科相は8日、Twitterにこう投稿したのだ。
〈彼女たちは仮に公正な試験が実施されても合格できなかった方々で、その救済策はまず大学に検討いただくのが筋だと考えます〉
大学が不正をおこなわなければこんなことは起こらず、しかも再び不合格になった5人の女子よりも得点が低い「正規合格」の在校生が存在するというのに、文科大臣自らが〈公正な試験が実施されても合格できなかった方々〉と言い放ったのである。