欧米では、富裕層による富の独占に批判が高まっているのに日本は…
富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる──。高額化した役員報酬は、まさしく新自由主義による格差拡大の象徴だ。しかも、安倍政権はその格差をさらに拡大させようとしている。消費増税を強行する姿勢を示す一方で、富裕層を優遇する金融所得課税を据え置いたり、法人税をさらに減税する方針を見せているからだ。
米国では、オキュパイ運動、2016年大統領選挙における“バーニー・サンダース旋風”、先日行われた中間選挙での「社会民主主義者」と自ら名乗るアレクサンドリア・オカシオ・コルテスらの躍進などがあったが、高額報酬、富裕層による富の独占と格差拡大は世界中で重要なイシューになっている。
ところが、日本は逆だ。ゴーン会長の疑惑が浮上したにもかかわらず、マスコミでは「日本の役員報酬はけっして高くない」ということが強調され、国民の間からも、高額報酬そのものへの批判の声はほとんど聞こえてこない。
かつては「もっとも格差のない国」などと喧伝されていた日本だが、いまや米国につぐ有数の格差大国で、このままいくと、先進国のなかで「もっとも格差のある国」になるのも時間の問題だろう。
(編集部)
最終更新:2018.11.30 07:33