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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」48

安倍政権が“私人”になりすまし辺野古の埋め立て工事再開をゴリ押し! 沖縄の民意も法律も一切無視の無法集団

軟弱地盤で欠陥基地の危険性も無視して埋め立て再開する暴挙

 辻元清美・国対委員長(立憲民主党)は、軟弱地盤の調査中なのに埋め立て工事再開が可能となる法的措置を始めたことを問題視した。「地盤の調査結果は公表するのか」と問い質して防衛官僚から「地盤調査は現在進行中。最終的な地盤の調査の結論はまだ先」との答えを引き出した上で、こう畳み掛けたのだ。

「(地盤調査の結論が出る前に)埋め立てをどんどん進めるのは、どう考えても納得できない。軟弱地盤は焦点なのです。沖縄県も埋め立て承認撤回の根拠の一つにあげている。10年前と非常に状況が変わって、物理的に辺野古に新基地は出来ないのではないか」

 しかし、防衛官僚は地盤調査に関する情報公開は一切拒否したまま、埋立工事再開のための法的措置を進める考えを繰り返すだけだった。  

 こんな悪夢の近未来図が目に浮かぶ。それは、〈専門家の調査で「マヨネーズ」にも例えられた軟弱地盤の新基地予定地に、巨額な血税を使って大量の土砂を投入した挙句、使い物にならない“欠陥基地”となって米軍にソッポを向かれた〉というものだ。

 県知事選投開票日の9月30日、当確が出た後に取材に応じていた謝花喜一郎副知事に軟弱地盤問題について聞くと、「翁長前知事から指示された埋め立て承認撤回の根拠の一つになっています」と回答。玉城知事が訪米に意欲的であることに話が及ぶと、「使う側のアメリカにとっても軟弱地盤問題は重要な問題だと思います。個人的見解ですが、新知事の訪米が実現した場合、アメリカで訴える重要ポイントの一つになるのではないか」と話した。

 玉城知事は首相初面談後の野党挨拶回りで「11月にも訪米したい」との意向を明らかにしたが、民意を無視して美しい辺野古の海を破壊する安倍政権の無法集団ぶりはアメリカにも知れ渡ることになりそうだ。玉城知事は当選翌日の10月1日、「対話なき法的措置」に踏み切った場合、安倍政権批判の高まりについて次のように語っていた。

「理不尽なことに『おかしい』と思う人たちのうねりになっていく。『(沖縄県民を含む)日本国民の要求に対して一顧だにしない』『必要以上に防衛装備に予算をかけようとする』という安倍政権への批判がもっと強くなっていくだろう。それは安倍政権に非常に大きなマイナスで、窮地に追い込まれてしまうことになると思う。我々もあらゆる手段を講じて抵抗していくし、そのときに私が持っているアメリカ人と日本人のハーフというアイデンティティがたぶん、どこかで役に立つことが出てくるかもしれません」

 友好ムードで包まれた初面談から5日後の10月12日、一転して安倍首相と玉城知事のガチンコ勝負が始まった。民意無視の無法国土破壊集団と化した安倍政権に対して玉城知事は、国内では野党と連携をして「莫大な国民の血税をドブ(軟弱地盤)に捨てる恐れがある」と追及する一方、アメリカを含む国際世論にも訴える“両面作戦”で、翁長前知事の遺志である「辺野古新基地阻止」に全身全霊をかけるのは間違いない。野党挨拶回りでは「政権交代」という言葉を何度も口にした玉城知事は、新基地建設強行の安倍政権を交代させる戦いを始めたともいえるのだ。

最終更新:2018.10.26 11:59

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