杉田水脈と安倍政権の歴史修正主義は戦争への欲望と表裏一体
また、杉田議員は前述の原田議員とネトウヨ雑誌「ジャパニズム」(青林堂)でこれまで2回、対談をしているのだが、2018年2月号(vol.41)での対談では、原田議員が杉田氏の当選を「奇跡的な流れ」「杉田さんのようにポテンシャルのある人材を置いておくのは本当にもったいない」と激賞し、あげく、「櫻井よしこさんのような立派な論客になる道もまだ残ってるし、杉田さんは自民党だけではなく国家の財産ですよ」と歯の浮くようなべた褒めを展開。「国家の財産」どころか「日本の恥」としか言いようがないが、杉田氏はこの対談でこんなことを語っていた。
「安全保障の調査会で自衛隊の郷友会さんが政策提案している中に、慰安婦問題とか南京大虐殺のような歴史戦に、どう戦うのかというのがありました。私は今まで歴史戦は外交の問題だけではないと思っていたのですが、郷遊会の方々は防衛の問題だとおっしゃったんですよ。まったくその通りで、武器を使わない戦いで武力も、国力も、国益もどんどん削がれていきます。防衛・安全保障の観点からこの歴史戦の問題を論じていただきたい、考えていただきたいと思います」
郷友会とは元軍人や自衛隊員らでつくられ、9条会見や靖国信仰など極めて右派的な色彩が強い団体だが、ようするに、杉田氏は南京事件の否定論などの歴史修正主義を防衛=軍事的なイメージと重ね合わせているらしい。
本サイトでは日頃から、日本の加害事実を否認し、過去の侵略戦争を正当化しようとする歴史修正主義は、必ずや次の戦争にこの国を導くと何度も言ってきた。マスコミは、杉田議員のLGBTヘイトのみならず、こうした剥き出しの歴史修正主義と、それと地続きにある好戦的な欲望ももっと掘り下げるべきだ。
そして、LGBT差別の問題にしても歴史修正主義にしても、決して杉田議員個人だけの問題ではない。その背後には安倍政権の政治のグロテスクな本質が見え隠れしている。いずれにせよ、あの杉田議員が極右議員とお仲間に囲まれて「南京事件はなかった」などと再びがなりたてるのを、このまま黙って見ていてよいはずがないだろう。
(編集部)
最終更新:2018.08.20 01:31