南京虐殺否定の自民トンデモ議員が、杉田水脈を「国家の財産」と賞賛
しかし、本サイトで何度も伝えているように、南京虐殺が「なかった」とする杉田議員らの虐殺否定論は、極右メディアやネトウヨ界隈が叫び続けているだけで、まともな歴史学者ならば一笑に付すトンデモだ。実際、保守派の歴史学者である秦郁彦氏ですら南京攻略戦で捕虜殺害などの残虐行為が行われたことを認めている。
だが、そうした歴史学的に拒絶されている虐殺否定論を杉田議員が支持しているのは、単に頭が悪いからとか、そういうことだけではない。むしろ「南京虐殺はなかった」というデマは、安倍首相周辺の自民党議員がこぞってがなりたてきたものなのだ。
たとえば、安倍首相の寵愛を受ける稲田朋美・元防衛相だ。杉田議員が登壇を予定している「外務省 目覚めよ! 南京事件はなかった」という集会のタイトルを見て、ピンときた人も少なくないだろうが、実は稲田氏は昨年12月13日に同じ集会に登壇。「日本の名誉を守るとは、いわれなき非難や事実と違うことに断固として反論することだ」「国益を守ることに政治家としての軸足を置いていきたい」と語っている。
つまり、その第二弾に杉田水脈議員が登場するということらしいのだが、もう一人、自民党からは昨年に続き、原田義昭衆院議員の参加が予定されている。
原田議員といえば、2015年、自民党で歴史認識問題に取り組む「国際情報検討委員会」の委員長として、「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、(中国が世界記憶遺産に)申請しようとするのは承服できない」と発言。グロテスクな歴史修正主義が自民党の本質そのものであることを満天下に知らしめた。ちなみに原田議員はその後、TBSラジオ『荻上チキ・Session-22』に出演したのだが、荻上チキ氏によるロングインタビューに対し、南京事件について基本的な知識すら持っておらず、ネトウヨ並みの感情論でしかものを言っていないことを露呈させていた(過去記事参照)。
https://lite-ra.com/2015/10/post-1616.html
なにより、自民党が杉田氏のようなトンデモ極右を迎え入れたのも、こうした“歴史修正のスピーカー役”を期待したからだろう。そもそも、杉田議員を自民党に引き入れた張本人は安倍首相。櫻井よしこ氏によれば「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」(ネット番組『言論テレビ』)いうことになったという。