3年前にも同性愛を「変態と思うのは自由」と差別ツイートしていた百田
さらに、百田のツイートからは「(戸籍上は)男性なのに女子大に入学できるのはズルイ、特権的だ」という主張すら垣間見える。いわゆる「在日特権」デマや生活保護バッシング、女性専用車両への男性乗り込み問題をみても明らかなように、実際には特権でもなんでもない偽の「特権性」をあげつらうのは、近年マイノリティへの差別と排除を正当化しようとするレイシストの常套手段となっており、その先に引き起こされるのがヘイトクライムだ。
ようするに、百田のツイートは愚劣であるのみならず、差別やヘイトクライムを煽り立てる最悪のものなのである。しかも、百田は悪ふざけで言っただけだと嘯くかもしれないが、そこにグロテスクな悪意があることは間違いない。
百田は2015年3月にもTwitterに〈同性とセックスしたいという願望を持つのは自由だと思うが、そういう人たちを変態と思うのも自由だと思う〉とむき出しの同性愛差別を書き込んでいた。多くの批判を受けて削除したが、そのころから百田のLGBTに対する差別的視線は何も変わっていないということだろう。
LGBT差別を扇動している人間が、〈よーし、今から受験勉強に挑戦して、2020年にお茶の水女子大学に入学を目指すぞ!〉と公に叫んだのだ。これは女子大に入学を希望するトランスジェンダーの人たちの尊厳を傷つけるものであり、さらに、決してそうあってほしくはないが、学生たちにLGBTに対する猜疑心や恐怖心を植えこむ可能性だってある。
本サイトは常々言っていることだが、百田尚樹の発言を「どうせいつもの放言」「バカのたわごと」と野放しにしてはだめだ。それがいかに差別と偏見を助長するものであるかを徹底して指摘し、批判せねば、この社会はますます生きづらいものになっていく。
(小杉みすず)
最終更新:2018.07.14 11:54