小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第10回ゲスト 古賀茂明(後編)

古賀茂明が室井佑月に語った「安倍首相は残虐」の意味、そして加計疑惑の決定的な問題とは?

kogamuroi_01_180626.jpg
古賀茂明氏と室井佑月氏(撮影・編集部)

 室井佑月対談連載「アベを倒したい」。古賀茂明氏を招いての前編は、安倍首相をかばう官僚たちの習性について突っ込んだ議論が交わされたが、最後に、古賀氏が口にしたのが「安倍さんはものすごく怖い人なんです」「執念深くて残虐」という言葉だった。後編ではその発言をきっかけに、古賀氏自身が受けた“報道圧力”や、安倍首相の官僚・メディア支配、さらには加計疑惑の本質までが次々暴かれていく。そこから浮かび上がってきたのは、想像以上に異様で卑劣な安倍首相の政治手法だった。
 なぜ、モリカケのようなとんでもない疑惑が浮上しても安倍首相の支持率は落ちないのか。シビアな現実にも踏み込んだこの対談をぜひ、最後まで読んでほしい。
(編集部)

●安倍の攻撃は官僚を辞めてからも続く! 古賀茂明が語った報ステ降板の真相

室井 安倍首相が「安倍さんはものすごく怖い人なんです」「執念深くて残虐」っておっしゃいましたけど、具体的にはどういうことなんですか?

古賀 残虐性、非人間性、執拗性。これらをすべて持っていて、それが徹底している。「こいつは!」と思ったら、辞めたからそれで終わりじゃないんです。辞めたあとも徹底的にやってくる。たとえば、前川さん(喜平・前文科省事務次官)のように、人格攻撃もやるし、講演にも横槍を入れる。僕も講演は最初はいっぱいあったけど、なくなっちゃった。そういうことをされるのが見えているし、多くの官僚にとってそれは恐怖でしかない。

室井 安倍さんに目をつけられるとそんなに怖いんだ。でも安倍さんに目をつけられた古賀さんは、ある意味一目置かれているということでもあるかもね。

古賀 安倍政権を批判している人はたくさんいるけど、その中で「こいつは抑えておかないとやばいな」と思われたら、徹底的にやられる。そういう意味では室井さんも覚悟したほうがいいかも(笑)。

室井 やだよ! あたしは普通のおばさんなんだから。それに作家、コメンテーターとしては権力をチェックして批判するのって当然のことだし、特殊なことをしているつもりはないんです。安倍さんや自民党の批判もするけど、民主党政権の時は民主党も批判した。でも確かに安倍さんはこれまでの首相、権力者の中でも怖いっていうのは実感しているけど。でも安倍さんって、第一次政権のときは残虐性はそんなに感じなかったと思うんです。第二次政権になってからすごく怖くなったと。

古賀 第一次安倍政権では、自分のお腹が痛くなって辞めたわだけど、でも安倍さんはそうは思っていない。「マスコミにやられた」と思っているんです。だから下野時代に「今度政権についたら、まずマスコミを抑える」と執念深く考えていたのでしょう。だから本気で批判してくるメディアやジャーナリストは自分にとって一番危ない“敵”とさえ思っているんです。

室井 だからか。朝日新聞に対する恨みは尋常じゃない。

古賀 そしてマスコミを抑える方法として、ひとつは見せしめ的に目立っていてかつ強いやつをやる。もちろん直接的な圧力では絶対にやらないで、干すんです。『報ステ』の出演者など格好のターゲットでしょう。僕の前にも浜矩子さんが降板した一件があったのですがこれも典型だと思っています。あまり騒ぎにならなかったし、浜さん自身もそういう意識がないかもしれませんが、でも、僕が聞いている話では、テレビ朝日の上層部が官邸を忖度して「報ステなんとかしろ」「浜か古賀、どちらかをあきらめと」という圧力がかかったということです。そう言えば、古舘伊知郎さんはいつも「古賀さんと浜さん、どっちも変え難い人たちなんですよね……」と言ってましたね。

室井 古賀さんがまさかここまで歯向かうとは思っていなかっただろうしね。

古賀 僕自身もそんなに歯向かうつもりはなかった(苦笑)。そもそも僕の名が知られるようになったのは民主党政権時代です。現職官僚として参議院予算委員会に呼ばれて、総理(菅直人)や仙谷由人さん、全閣僚がいる前で、小野次郎というみんなの党の議員が、「古賀さん、最近の民主党の公務員改革、天下りの政策はどう思いますか?」と訊かれたので、僕は思いきり、「民主党になってから、天下り規制の緩和措置が堰を切ったように実施されている」と批判しちゃったんですよ。そうしたら仙谷さんら閣僚はみんな頭に来て。でもその当時はすでに、大臣官房付という個室に入れられて仕事を干されていた。その理由は財務省なんです。民主党政権が発足した際、仙谷さんから「補佐官になってくれ」と打診があった。それで「行政刷新」について改革メニューを渡すなど打ち合わせもしていた。しかしその話が全部チャラになってしまった。仙谷さんは何も言わなかったけど、その後当時の松井孝治官房副長官に訊いたら、その直前に財務省が仙谷さんのところにきて「古賀は絶対に使うな」と止めたと言うんです。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する