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是枝裕和のカンヌ受賞作『万引き家族』は“貧困叩き”への違和感から生まれた! 安倍政権と国粋主義批判も語った監督の問題意識

安倍政権のテレビに対する圧力にNOを突きつけた是枝監督

 まさに正論と言うほかはないが、是枝監督のこのインタビューは前述した『万引き家族』同様、ネトウヨから激しい攻撃を受けている。

 しかし、是枝監督はこれからも、日本社会の本質に目を向ける姿勢を曲げることはないだろう。実際、是枝監督は、安倍政権の圧力に対して、はっきりとNOの姿勢を示してきた。

 たとえば、是枝監督はBPOの委員をつとめているが、安倍政権のテレビへの圧力とも敢然と闘ってきた。たとえば、2015年、『クローズアップ現代』(NHK)のやらせ問題と『報道ステーション』(テレビ朝日)での元経産官僚・古賀茂明氏の安倍首相批判を問題視した自民党の情報通信戦略調査会がNHKとテレビ朝日の幹部を事情聴取、両局に高市早苗総務大臣が「厳重注意」した際、BPOが〈今回の事態は、放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべきである〉と毅然とした意見書を出したが、この原動力になったのも、是枝監督だった。

 是枝監督はブログでも、〈安易な介入はむしろ公権力自身が放送法に違反していると考えられます〉〈BPOは政治家たちの駆け込み寺ではありません〉と批判。「週刊プレイボーイ」(集英社)2015年12月14日号での古賀茂明氏との対談でも「安倍政権は放送法4条だけを言い立てて、「公平にやれ」と、しきりにテレビ局を恫喝しますが、それって実は放送法を正しく理解していない証拠なんですよ」「公権力が4条の「公平」という部分だけを局所的に解釈して、介入を繰り返すというのであれば、それこそ放送法違反だといってもいい」と繰り返し強調していた。

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