「われわれは選挙で『戦争したっていい』と信任された」とうそぶく政府高官
しかも、こうした動きはこれからさらに活発になっていくはずだ。つい最近も、日本青年会議所の「宇与くん」騒動では、改憲に向けて左翼、リベラル、護憲派を攻撃するなどの炎上マーケティングを狙ったネット工作を画策していたこともあきらかになったばかりだが、日本会議などが自らの正体を隠して新たな団体をつくり、憲法改正賛成を主張する街宣活動や署名集めを展開するのは必至だろう。
また、先日、本サイトで元博報堂の広告マンである本間龍氏が指摘したように、自民党はすでに電通に大々的な改憲プロモーションを発注している可能性が高い。
このような世論誘導と一方的な国会運営で、国民に満足な説明もないまま議論を進めていく。安倍政権は安保法制のときと同じように、ソフトな語り口で本質や本音を隠し、改憲の国民投票までもち込む気でいるのだろう。
しかし、もう騙されてはいけない。じつは、本日付の西日本新聞の「デスク日記」では、こんな事実があかされているのである。
〈今から5年前。東京で政治取材を担当していたある夜のことだ。酔って帰宅した安倍晋三政権の政府高官が番記者たちに、こうつぶやいた。「極端なことを言うと、われわれは選挙で『戦争したっていい』と信任されたわけだからね。安全保障の問題とか、時の政権にある程度任せてもらわないと前に進めない」〉
戦争していいと信任された──。これはちょうど特定秘密保護法案が国会に提出されていた時期のことだというが、安倍政権はこのころからしっかりと「戦争できる国づくり」を目指していたのだ。安保法制に批判が高まっていた際、安倍首相は「戦争法案と言うのは無責任なレッテル貼りだ!」と吠えたが、やはり安保法は「戦争法」だった。そして、憲法改正による「戦争できる国」の完成をいま目指しているのである。
いまは安倍首相が進めようとする改憲案がいかに平和主義を打ち砕いてしまうものなのか、その事実を広めていくことが重要だ。いや、そもそも何度も言うように、公文書を改ざんして国民を欺くような人物に、憲法を弄ばせるようなことをやらせてはいけないのだ。憲法改正云々の前に、まずは総理の座から退いていただくほかないのである。
(編集部)
最終更新:2018.05.03 03:20