沖縄防衛局HP
辺野古への新基地建設で政府が護岸工事に着工して、きょうで1年を迎える。そしてきょうも辺野古キャンプ・シュワブゲート前では新基地建設に反対する市民たち約300人が抗議活動をおこない、海でも「海上大行動」としてカヌーから「海を壊すな」「工事をやめろ」と抗議。対する機動隊や海上保安官は市民を次々に強制排除、拘束していった。
沖縄の民意を無視し、力づくで市民を抑え込む安倍政権の強権的な姿勢は言語道断と言わざるを得ないが、そんななか、とんでもない問題が発覚した。
なんと、防衛省が発注していた基地反対派に対する警備代が、約7億4000万円も過大請求されていたというのだ。
問題となっているのは2014年6月に防衛省沖縄防衛局が発注した桟橋などの仮設工事で、大成建設が約59億円でこれを受注。その契約には新基地建設反対運動の海上警備が含まれていたといい、大成建設は渋谷区に本社を置く警備会社・ライジングサンセキュリティーサービスに警備を委託した。そして、このライジング社が、警備にあたった人数を水増しして約7億4000万円を過大請求したのである。
だが、驚くべきはこのあと。この過大請求は2016年1月に沖縄防衛局に内部通報があり、大成建設が調査して事実と判明。契約額から水増し請求分を減額したが、沖縄防衛局は大成建設に注意をしただけで、ライジング社との契約を解除させることもなく、その後もライジング社と契約をつづけていたのだ。
しかも、このライジング社の100%子会社で実際に海上警備にあたっていたマリンセキュリティーをめぐっては、燃料を海に廃棄していたことが発覚しており、そのほかにも警備艇船長による暴言や嫌がらせといったパワハラ行為、船内での飲酒、従業員への月最大200時間以上の残業代未払いなどが問題となってきた。その上、不正な請求をした会社と契約をつづけるという異常な事態に、防衛省や政治家の介入があったのではないかと指摘する声も出ている。
実際、ライジング社は海外での民間武装警備の訓練にも参加するなど、テロ対策への進出なども視野に入れている会社で、同社の八木均社長は、自衛隊や右派にも太いパイプをもつ人物といわれている。
いずれにしても、この背後には“不正があろうがなんだろうが、工事さえ進めるなら手段を選ばない”というなりふり構わない安倍政権の姿勢があるのは明らかで、辺野古新基地工事にはこうした不正がほかにも山ほどあるのではないかともいわれている。
だいたい、水増し請求額が約7億4000万円ということは、この額よりはるかに超える警備費が海上だけでも投入されているということ。そんな巨額の国民の血税を使って市民を排除するための警備をおこなっていること自体が許しがたいものだ。