マスメディアでタブー化したたけしの愛人問題
そういう意味では、今回のコラムも林氏の真骨頂と言えるが、しかし、たけし独立報道で沈黙しているのは小説を掲載した「週刊文春」だけではない。当初、さかんにたけし独立と愛人の存在を絡めて報じていたマスコミだったが、現在ではすっかり愛人問題はタブーになってしまったからだ。
そこにははたけしの狡猾な作戦があった。騒動当初、たけしは独立問題に沈黙していたが、その後、たけし軍団を使って声明文を出させ、愛人問題を軍団VS森社長の“喧嘩”へ矮小化、森社長の責任論にすり替えた。これは裏を返せば、いかにたけしが愛人の存在を隠しておきたいかの証左でもあるが、しかしこの戦略にマスコミもまんまとはまり、特にワイドショーは連日のように軍団と森社長の対立を報じていった。その結果、現在、テレビではたけしの愛人問題に触れることはタブーとなり、また触れるとしても愛人のことを “ビジネスパートナー”と言い換える配慮を見せるまでになっている。
さらに独立問題の詳細な内幕や、森社長の反論を掲載してきた「週刊新潮」(新潮社)にしても、森社長がたけしサイドと手打ちをしたことで、今後の追撃記事はおそらく期待できない。そう考えると今回のたけしの愛人問題、独立騒動はこのまま“なかった”ことになってしまう恐れさえある。
だが一方で、たけしの“家庭内”から“老いらくの恋”に対し、動きがあるのも事実だ。長男がツイッターで〈どんどんダサくなってく人を見るのはきつい〉とたけしのことを示唆するような意味深な投稿をしたことが話題になったが、「女性自身」(光文社)4月24日号でもたけしの実娘で元タレントの北野井子についてのこんな動向が紹介されている。
「A子さん(愛人)にのめりこんでいくたけしさんを、井子さんは『気持ち悪い』『顔も見たくない』と拒絶するようになりました。
たけしさんの長男が再婚したときも、結婚式にたけしさんは呼ばれなかったと聞いています。
井子さんは最終的に“絶縁状”を父親に手渡したそうです。幹子夫人と井子さんは一枚岩ですから、2人の思いは同じでしょう」(たけしの知人)
肉親、家族の逆襲。それは絶縁状だけでなく、近くマスコミを使った告発があるのではないかとの情報もあるが、何年かのち、あの『殉愛』騒動を上回るような骨肉の騒動が勃発することも考えられる。
林氏はたけし問題を記したコラムのなかで、作家・井上ひさしの死後、妻だった西舘好子氏が井上の陰険な性格やDVを暴露する著書を出したことを紹介しているが、これはたけしに対するある種の忠告、または予言か!?
(本田コッペ)
最終更新:2018.04.23 12:45