水原希子「卑劣なコメントも削除せず残しています。何が正しいのか一目瞭然だと思うから」
自らのツイッターアカウントを通じ、〈今この世の中では色んな争いが起きてますが、どこの国で生まれても、どこの国で育っても、どこの国に住んでいても、みんな地球人である事には変わりません。全ての人に自分を理解してもらうのは難しい事かもしれない。でも、この世の中で私の事を理解してくれている人がこんなにもたくさんいるという事に気づく事ができました。一日も早く、この世の中の人種や性別などへの偏見がなくなってほしい。そして、世界中の人がどこにいても自分らしく生きていける世の中になるように、まずは私が私らしくこれからも強い心を持って、生きていこうと想います。全ての争いがなくなる事を心から祈っています。LOVE&PEACE〉といったツイートを投稿。先の靖国神社の事例と同じく、ここでも改めてナショナリズムを超えた相互理解を訴えた。
しかし、今回の朝日新聞のインタビューでわかったことだが、実際は大量に押し寄せるヘイトスピーチを受けて、水原の心はズタズタに傷ついていたのだ。水原にはなんの非もないのに、「いろんな人に迷惑をかけて」と自らを責め、「2週間くらい泣き続けて」いたと告白している。
水原はプレモル騒動の渦中、〈自分らしく、正直に生きるってこんなに大変なんだ。でも嘘は嫌だよ。HateよりLoveの方が気持ちが良い。そんなに嫌いにならないで〉とツイートしたが、「当時のこのツイートも、投稿すべきかすごく悩みました」と語っている。
当然だろう。あれだけひどいヘイトスピーチを浴びせられ、仕事先にまで不買運動をかけられ、平気でいられるわけがない。騒動が沈静化するまで泣き寝入りして黙ってしまったとしても、そのことを誰も責めることはできないだろう。
しかし、それでも、彼女は卑劣な差別に屈することなく、きちんと自分の意見、自分の思いを表現した。
しかも、彼女が見事なのは、現在も自分のSNSからこの炎上の痕跡を削除していないことだ。水原は前掲インタビューで、そのことにふれて、こう語っている。
「卑劣なコメントも、削除せず残しています。何が正しいのか、一目瞭然だと思うから」
水原の言葉はいまだに差別攻撃を繰り返すネトウヨの卑劣さを浮き彫りにすると同時に、私たちに差別と闘う勇気を与えてくれる。
(編集部)
最終更新:2018.04.03 11:09