嫌韓本、日本スゴイ本に続いて朝日叩き本が大量出版されるもとんだ赤っ恥
いや、「月刊Hanada」と「WiLL」だけの話ではない。アッチの世界では朝日バッシングはおカネになるらしく、今年に入ってからもこんな関連本が濫造されている。
『宣戦布告 朝日新聞との闘い・「モリカケ」裏事情から、在日・風俗・闇利権まで、日本のタブーに斬り込む!』(小川榮太郎、足立康史/徳間書店)
『「立憲民主党」「朝日新聞」という名の偽リベラル』(八幡和郎/ワニブックス)
『偽りの報道 冤罪「モリ・カケ」事件と朝日新聞』(長谷川熙/ワック)
『朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す』(櫻井よしこ、花田紀凱/産経新聞出版)
いまとなっては、なにかのギャグとしか思えないが、まあ、結局のところ連中は、自分たちに都合いいところだけを切り取ったり、ネトウヨ的妄想をフル稼働した陰謀論をまくし立てることで、「朝日の報道はフェイク」と印象づけ、政権を守りたいだけなのだ。
今回の朝日のスクープで、その極右界隈のトンデモ世界観は完全にバレてしまったわけだが、言うまでもなく、こうしたやり口は文書改ざん問題だけのことではない。その流れは2014年の朝日による慰安婦報道の一部訂正が端緒で、ここから朝日バッシングとともに「朝日は誤報ばかり」「フェイクを日々撒き散らしている」なる言説がパンデミックしたのは周知の通り。
ところが、その朝日慰安婦報道問題にしても、右派グループが朝日新聞社に「国民の名誉が傷つけられた」などとして損害賠償を求めた3つの裁判で原告側がすべて敗訴確定するなど、連中のトンデモっぷりは司法からも認定されつつある。また、元朝日記者の植村隆氏が記事を捏造と断定されて名誉を傷つけられたとして“極右の女神”・櫻井よしこ氏を相手取った裁判でも、最近大きな展開があった。
こうした問題は稿を改めてお伝えすることにしたいが、いずれにしても、極右論壇というのは「特捜部の護憲派と朝日が結託」とか「北朝鮮情勢と連動した虚報」とか「目的は日本解体」なんていう話が真顔で飛び出してくる“夢の国”なのである。
しかも、驚くのは、安倍首相自身がこの夢の国の常連メンバーであることだ。実は、朝日の文書改ざん報道を陰謀だと総攻撃していた「WiLL」5月号には、「安倍総理 明治150年特別対談 国難突破!輝く日本へ」と題した安倍首相の対談が掲載されていた。
安倍首相と応援団のみなさんがそうやってトンデモな陰謀論と戦前礼賛を語り合い、お互いを慰撫しあうのは勝手なので、ぜひそのまま、「夢の国」にとどまって外の世界に出てこないでいただきたい。
(編集部)
最終更新:2018.03.29 07:04