首相官邸ホームページより
森友問題でいよいよ窮地に追い込まれた安倍政権だが、こういう状況になると安倍応援団メディアが必死になってアピールするのが、安倍首相の外交手腕だ。今回も「外交はやはり安倍さん以外に任せられる人がいない」「得意の外交で危機を打開できるはず」などと、必死でアピールし続けている。
しかし、この外交手腕とやらも、実はまったくの嘘っぱちであることがここにきて次々とバレ始めている。そのひとつが、23日、米トランプ政権による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限だろう。これは、鉄鋼に25パーセント、アルミニウムに10パーセントの高い関税をかけるもの。適用除外を求める日本の要求をトランプが認めず、中国など非友好国と一緒の高関税措置を発動したのである。EU加盟国をはじめ、カナダ、韓国、オーストラリアなど他の同盟国・友好国はもちろん、トランプが移民問題などで攻撃を繰り返してきたメキシコも適用を見送られたにもかかわらずだ。
しかも、これには明らかに、トランプ大統領の意志が働いていた。トランプはこれに先立つ22日、ホワイトハウスでの会見で安倍首相のみを名指し、こう述べていた。
「安倍首相はいいやつだが、その顔はほくそ笑んでいる。それは『こんなに長いこと、アメリカを出し抜くことができたとはね』という笑みだ。そんな日々はもう終わりだ」
安倍首相といえば、世界各国の首脳がトランプ大統領を批判してもひたすらトランプにこびへつらい、唯々諾々で忠実なポチ犬ぶりを徹底してきた。そして一方で「深い信頼関係で結ばれている」「世界で一番、トランプと話ができる」などと吹聴してきた。
ところが、結果はこれである。ようするに、安倍政権は国民の税金で大量に武器を購入させられるなど、さんざんトランプの商売に利用されただけで、ハナから相手にされていなかったのだ。
これは、通商政策だけではない。北朝鮮問題でも同様だ。電撃的に合意した南北首脳会談、そして米朝首脳会談の交渉舞台裏でも、安倍政権は完全に蚊帳の外に置かれていた。