恫喝スラップ訴訟で批判意見封じ込めを狙う、橋下・松井コンビ
ようするに松井知事は、Twitterで米山知事が暗に橋下氏を指して〈異論を出したものを叩きつぶし党への恭順を誓わせてその従順さに満足する〉とした論評等を、自分への「名誉毀損」と捉えて提訴したわけである。この程度の論評で、しかも当人が松井知事への発言ではないと言っているにもかかわらず、首長が首長に対して異例の名誉毀損裁判を起こすのは、控えめに言っても理解しがたい。
だが、むしろ注目すべきなのは、前述の通り、この二つの訴訟が、Twitterでの発言を対象にしたこと(昨年10月末)や提訴のタイミング(12月)という点で、非常に似通っているという事実だろう。なお、岩上氏によれば、両件の訴訟代理人は、橋下綜合法律事務所所属の同じ弁護士であるという。
偶然の一致にしてはできすぎだ。松井知事と大阪維新の会は、大阪都構想の住民投票を今秋にも実現したいとしているが、先の衆院選でも議席を減らして橋下・松井コンビの求心力低下も囁かれる維新が、ほんの些細な批判をも封じ込めたいというあらわれではないか。
批判勢力を吊るし上げ、言論人やメディアを名指しながら罵倒して大衆を煽動する手法は、いまや、アメリカのトランプ大統領の戦術として知られるが、もともと橋下氏が政治家時代から繰り返してきたことだ。
しかし彼らにどんな思惑があるにせよ、こんなやり方を許してしまったら、日本の言論の自由が脅かされることになる。政治的スタンスとは関係なく、メディアは徹底的に批判していくべきではないか。
(編集部)
最終更新:2018.01.24 02:29