左・ネット番組『ちょっと右よりですが・・・』に出演する山口敬之氏/右・『ひるおび!』(TBS)番組HPより
新年の恒例企画となった、リテラの「安倍政権御用ジャーナリスト大賞」。2017年は、なんといっても安倍首相と昭恵夫人による森友・加計学園問題の「政治の私物化」という大疑惑が浮上したが、やはりというべきか、メディアには無茶苦茶な擁護を繰り出す御用ジャーナリスト・評論家たちが次から次へと登場。しかも、2017年は、歴史修正と排外主義を振りかざすネトウヨまでもがテレビやラジオで堂々と安倍擁護を打つ姿が見受けられた。
御用ジャーナリスト大賞では、櫻井よしこや百田尚樹、小川榮太郎など、カルト極右思想のアベ友は相手にする必要なしと、最初から除外していたのだが(今回もこの3人は除外)、今年は何人かを入れざるをえなくなってしまった。
一体、どんな人物がランクインしたのか。前編は、途中から姿を消したあの人を「殿堂入り」として表彰した後、10位から6位までをお届けしよう。
殿堂入り●山口敬之(元TBS記者、ジャーナリスト)
ヨイショの見返りに逮捕も免れた?「安倍首相に最も近いジャーナリスト」
途中からテレビには出なくなったといえ、2017年を振り返る上で忘れてはならないのは、なんといってもこの人だろう。5月に「週刊新潮」(新潮社)に報じられたレイプ疑惑の発覚によって、“官邸を通じて逮捕状を握り潰させた”という問題が浮上。年末になって昵懇の社長が補助金詐欺事件によって逮捕されたことで新たな疑惑がもち上がっている山口氏だ。
5月以降は記者会見をおこなうこともなく雲隠れ状態となったが、それ以前は「安倍首相にもっとも近いジャーナリスト」としてワイドショーに出演しまくっていた山口氏。森友問題では安倍首相と電話で話したと“仲良しアピール”をしつつ、「安倍さん、さっき言ってたけど、『証人喚問になってよかったよ』と」「籠池さんとはまったく面識がないので、よく知らなかったらしい」と強調。籠池氏の証人喚問で谷査恵子氏による「口利きFAX」の存在があきらかになると、独占入手したと言って籠池氏より先にその内容を公開したが、山口氏は実際には2枚あったFAXの1枚目だけを出し、予算措置などの配慮を報告した2枚目の存在を完全にネグった。その上、1枚目の働きかけの可能性を示唆する部分は無視して、なんの問題もないと言い張った。
もちろん、このFAXは官邸から提供を受けたであろうことは見え見え。つまり、山口氏は官邸が描いたシナリオどおりにテレビで情報を流していたのだ。
こうした言動を振り返ると、あらためて安倍首相と昵懇の関係を築き忠実なスピーカーを務めれば逮捕状まで潰すことができるのか、という疑念はより膨らんでいく。「御用ジャーナリスト」という存在が、法治国家としての信頼さえ揺るがしているという事実。これは、森友・加計問題以上に追及が求められる重大な問題であることは間違いない。