【3月】「アッキード事件」のほかにも“昭恵口利き案件”の実態が続々と…
幼稚園児たちの「安倍首相ガンバレ!」動画によって森友学園の異常さにスポットが当たり、「この教育方針に涙する昭恵夫人って一体……」とドン引きする人が続出するなか、国会では山本太郎議員が森友問題を「アッキード事件」と命名。安倍首相が「妻は私人だ!」と叫ぶ一方で、経産省や外務省から官僚を出向させ昭恵夫人の専属スタッフとしていたことや、そのスタッフが「公務」として森友学園の昭恵夫人の講演会に同行していたこと、さらには「100万円寄付」問題まで浮上。しかし、昭恵夫人はFacebookで一方的に釈明文を流すだけで、国会に出てくることはなかった。
しかも、公開された籠池諄子夫人とのメールのやりとりによると、10日に昭恵夫人は「小川榮太郎さんがFBで反論しています。少しずつこの状況が異常だということになってくるはずです」と送信していた。実際、この前日に小川氏は〈塚本幼稚園の経営者や教育方針を「異常」に見せて社会的廃業に追い込む手口は、これ以上放置しては最早自由社会の否定。〉〈テレビメディアが今してゐる事は、人間として最も恐ろしい罪に該当するのではないか。 犯罪以上の、人倫上の深刻な罪ではないだらうか。〉と森友を擁護するかたちで報道批判を繰り出していた。
小川氏はその後、選挙期間中に“モリカケ疑惑は朝日新聞の捏造だ!”と主張するトンデモ陰謀論本を発表、自民党が5000部以上を買い上げて所属議員や支部に送っていたことが発覚している。安倍首相は籠池氏を「詐欺をはたらく人物」と犯罪者扱いする攻撃をおこなっているが、当時、昭恵夫人は夫の御用作家を動かして事態の収束を図ろうとしていたのである。
その上、昭恵夫人には、公益社団法人への「8000万円予算の口利き疑惑」や、2016年3月に開催された安倍家の親族が代表を務める団体が主催の「高校生未来会議」をめぐって文科省にバックアップするよう圧力をかけていたという疑惑も出てきた。ちなみに、この月におこなわれた講演会で昭恵夫人は「(自分の役割は)人をつなげていくこと」と述べている。
また、この月の16日に諄子夫人に送ったメールは「神様はどこに導こうとしているのか。とにかく祈っています」というものだった。ここまできても「私物化」の自覚なし、「神様」頼みで他人事──このアキエイズムは、その後もつづいていく。
【4月】「国家機密漏洩疑惑」まで浮上も、夫と仲睦まじく花見のノーテンキ
3月下旬におこなわれた籠池泰典氏の証人喚問で公開された、昭恵夫人付きだった谷査恵子氏による財務省への「口利きFAX」。昭恵夫人は3月24日に開かれた講演会で「主人と私と、一生懸命この国のために働いていることをぜひご理解いただければ」などと述べた上、涙ぐんだ。
そんななか、3月下旬に開設された「アキエリークス」なる証拠公開サイトでは、塚本幼稚園でおこなわれた昭恵夫人の講演会の完全版をアップ。そこでは「安倍晋三の家内の安倍昭恵でございます」と挨拶しており、あらためて昭恵夫人が「総理大臣の妻」という公人の立場で活動をおこなってきたことが露わになった。しかも、総理大臣夫人付きの政府職員を田植えやスキーに同行させていただけでなく、選挙運動にも同行していた事実も判明。国家公務員法違反の疑いがかかった。その上、小学校の名誉校長を引き受けた前日に大阪府私学審議会会長と会っていたこともわかり、昭恵夫人をめぐる疑惑は雪だるま式に膨らんでいった。
さらに、この4月には「籠池夫人が昭恵夫人から伊勢志摩サミット決定を公式発表前に知らされていた」ことを証言する人物まで登場。このことを伝えた『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)は報道の翌日に「証言者の記憶違い」と訂正したが、この訂正自体が不可解なもので(詳しくは既報参照)、昭恵夫人による国家機密漏洩疑惑は濃厚だ。
しかし、これらの疑惑もどこ吹く風で、昭恵夫人は安倍首相主催の「桜を見る会」に参加。出席者のももいろクローバーZらとともに「ゼーット!」ポーズを決めて満面の笑顔で写真におさまった。