貴乃花親方のカルト的新興宗教への心酔、弟子が急にネトウヨ化
また、能町氏が心配しているのは、貴乃花親方にある種のカルト性を感じ取っているからだ。前掲のコラムでは、貴乃花親方が龍神総宮社」なる新興宗教に傾倒し、貴乃花部屋に兄弟で入門している「貴源治」「貴公俊」という2人の力士にその宗教の創始者・祭主の名前をつけていることを指摘していた。
たしかに、貴乃花親方がこの龍神総宮社に心酔しているというのは角界でも有名。同団体のHPを覗いてみると、「ガンが消えた!大学病院もびっくり」「奇跡!! 大津波が庭の直前で止まった 神様ありがとうございました」といった信者の証言、「様々な奇跡が、ここ龍神総宮社では、いつも起きています。」「神様とともに右肩上がりの会社経営の道を歩みましょう」などの煽り文句が並んでおり、怪しいオカルト的雰囲気がプンプン漂っている。
さらに、能町氏は、貴乃花の政治的な偏向についても危惧を表明している。
貴乃花といえば、貴ノ岩をのぞいて外国人力士をとらない方針だったり、相撲協会の日本国籍条項の変更に否定的だったり、排外主義的な主張をしていることで知られているが、実はその背後にはゴリゴリの極右思想への傾倒がある。貴乃花部屋のHPには自らを〈軍神のように生まれてきた思いがいたします。〉〈日本の国益のお役に立てるための、相撲道の本懐を遂げるためのものです。〉というそれこそ戦前丸出しのメッセージが掲載されたこともあるし、「週刊朝日」によると、あの炎の行者・池口恵観氏に「国家安泰を目指す角界でなくてはならず“角道の精華”陛下のお言葉をこの胸に国体を担う団体として組織の役割を明確にして参ります」という文章のメールを送っていたことも明らかになった。
そして、先の九州場所の千秋楽パーティでも「日本国体を担う相撲道の精神」などとあいさつしたことが報じられている。
能町氏はやはり前掲コラムで、この九州場所の千秋楽パーティでの「国体」という言葉をとらえ、〈相撲は確かに「国技」とも言われますが、「国体」となると話は別です。民族主義にもつながる〉と批判。貴乃花親方がこうした思想を力士に洗脳教育している可能性まで示唆した。
その例としてあげていたのが、龍神総宮社の創始者、祭主からしこ名をもらったとされる貴公俊、貴源治の兄弟だ。
まず、弟の貴源治は、〈彼の3年前のツイッターを見ると、好きなラッパーの名言をリツイートしたり、友人と何気ない会話をしたり、ふつうの明るい若者という感じ〉(前掲コラムより)といった印象だったのが、一度ツイッターをやめ、1年前に別アカウントで戻ってくると、別人のように変化。〈旭日旗をバックに「男は人生太く短く。日本人としての誇りを胸に」とのメッセージを掲げたもの〉という、いかにもなプロフィールになったうえ、右傾化したツイートをするようになったという。
兄の貴公俊のケースはもっと極端だ。〈3年前は友人とツイッターで何気ない会話を愉しみ、時には「となりの誰かが戦争に行く。決めたのはこの人(注:安倍首相)です」という内容をRTすることすらあった〉(前掲コラムより)というが、貴源治と同様に一度ツイッターを止めて、再開するとやはり〈旭日旗とともに「日本人として日本とういう国に当然誇りをもってます」と掲げる〉(原文ママ)というプロフィールに変わっていたという。