『ニュース女子』のデマ、捏造が、BPOの調査で次々と明らかに!
また、番組では「往復の飛行機代相当、5万円を支援します」と書かれているチラシが東京で配られていたこと、さらに普天間基地の周辺で「2万円」と書かれた茶封筒が発見されたことを紹介し、「これが事実なら反対派デモの人たちは何らかの組織に雇われているのか」とナレーションを付けたが、この茶封筒の証言者に検証委員会が聞き取り調査をおこない、その結果、〈本件放送で示した茶封筒 15 のカラーコピーや人権団体のチラシは、基地建設反対派は誰かの出す日当をもらって運動しているという疑惑を裏付けるものとは言いがたい〉と判断。
さらに、取材VTRは冒頭で、レポーターとなった軍事ジャーナリストの井上和彦氏がどの場所にいるのかの説明もないまま「いきなりデモ発見」と伝え、「この辺の運動家の人たちが襲撃をしにくると言っているんです」などと言いながら近づくのだが、スタッフの「これ近づいたら危ない」という音を入れた上で「このままだと危険と判断 ロケ中止」とデカデカとテロップを表示。井上は取材交渉もおこなわず、「(反対派は)敵意を剥き出しにしてきて、かなり緊迫」と述べた。
この部分についても、検証委員会はこのとき抗議活動に参加していた人を割り出し、計3名に聞き取り。番組では井上氏について「反対派にとって有名人」とテロップを出していたが、この3名の一致した回答は〈撮影スタッフは自分たちに近づいて来ていない、取材交渉には来ていない、A氏(編集部註・井上氏のこと)は沖縄では有名ではなく、自分たちもA氏のことを知らず、A氏が近づいてきたことに気づかなかった〉というものだったという。
いかに番組制作者が嘘をでっち上げたり恣意的な取材をおこなっていたのかあらためてよくわかるが、こうした独自の調査によって、検証委員会は〈これらの内容は他のマスコミが報道しない「過激な反対運動」の実像を伝えるという本件放送の核となるべきものであるにもかかわらず、それらに十分な裏付けがないままに放送された点で、本件放送には放送倫理上の問題が含まれていた〉と述べている。