親族の接見も禁止され続ける籠池夫妻、周防正行監督は「あきらかに不当」
籠池夫妻が国の補助金不正受給による詐欺の疑いで逮捕されたのは今年7月31日のこと。この逮捕には、国の補助金不正受給に詐欺罪を適用することに対して法律関係者からも疑問の声があがっていたが、さらに異常なのはいまだに勾留され、11月22日には保釈請求を大阪地裁が却下。家族との接見さえ禁止されており、弁護人を通じてしか手紙のやりとりもできない状態だということだ。
約4カ月もの長期にわたる勾留。この異常な身柄拘束を、冤罪事件の裁判を描いた『それでもボクはやってない』の監督で、法務省所管の法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」委員を務めた周防正行氏は、このように疑義を呈している。
「あきらかに不当な勾留だと思うんです。『証拠隠滅のおそれ』と言われるんですけど、そもそも起訴した段階で検察は起訴して有罪がとれる、そういう証拠をすでに揃えているということですから、それ以上の証拠隠滅ってどういうことだろうと思うんですね」(BS-TBS『週刊報道LIFE』11月19日放送)
また、元刑事裁判官の安原浩弁護士も、「接見禁止まで付いているのは理解できません。逆に検察官が証拠隠滅の可能性が高い理由を説明できなければ、勾留請求は認められないはずです」(「週刊朝日」12月15日号/朝日新聞出版)と述べている。
この不当勾留の一方で、森友問題の本題である国有地が約8億円も値引きされタダ同然で払い下げられたという問題については、佐川宣寿・財務省前理財局長(現・国税庁長官)をはじめ財務省や近畿財務局、国土交通省の各担当者らに背任容疑で告発状が受理されているものの、まったく進展が見られない。
本サイトでは以前から指摘しているが、籠池夫妻が小学校の校舎建築にかんして補助金詐取をしていたとしても、それは財務省から国有地をタダ同然で売却してもらってはじめておこなえるものだ。近畿財務局の8億円の値引きがないと森友学園はそもそも土地を取得できず、小学校建設もできなかった。順番からいっても最初に国有地8億円値引き売却の問題を捜査すべきなのに、そうはなっていない。
そして、安倍首相は、総理大臣という立場にもかかわらず推定無罪の原則も無視して「(籠池氏は)詐欺をはたらく人物」と決め付け、「(籠池氏が)こういう人だから(昭恵夫人は)騙されたのだろう」などとテレビで触れ回っているのである。
なぜ、籠池夫妻は不当勾留されているのか。5日におこなわれた参院内閣委員会において、自由党・山本太郎議員がその核心を突いた。