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サンフランシスコ慰安婦像問題拡大の原因は日本の歴史修正主義! 公聴会で慰安婦を攻撃し「恥を知れ」と説教されていた

SF市議が「歴史否定は逆にモニュメントの必要性を証明する」と警告

 つまり、アメリカで、右派陣営ががなりたてる「20万人説は虚説だ」「強制連行は嘘だった」「元慰安婦の証言は信頼できない」というような歴史修正主義の言辞が人道にもとるものとして、強く批判されたのである。断っておくが、カンポス委員の話し方は感情的に罵るようなものでは決してなく、むしろ逆で、冷静かつ親身な説得のニュアンスだった(それがかえって、国際的な観点から、歴史修正主義がいかに“恥知らず”であるかを浮き彫りにしていたとも言えるが)。

 そして、カンポス氏は目良氏らに対して、そのヘイト的言動が逆効果になることをこう警告していた。

「今回の決議に反対された友人の皆さんにおかれては、本日この議場で行われた幾つかの発言と自分の考えを区別する――自らを切り離して考えてみる――ことが大切だということを申し上げておきます。皆さんは、歴史を否定することに賛同せずとも、このメモリアルの建立や今回の決議に反対することができる筈です。過去に何が起きたかを否定するのは、日系アメリカ人コミュニティにとって害でしかなく、日本の人びとにとっても害でしかなく、そして、言ってみれば、われわれすべてにとって、そして人間としても、害をなすものでしかありません。
 そしてグランマ・リーさん。ここであのような発言がなされたことについては、お詫びするほかありません。ただ、この国は民主国家で、言論の自由が認められており、その言論の自由の一部にはヘイトに満ちたことを発言する自由も、根拠のないことを発言する自由も、認められているのです。しかし彼らの嘘や無知の問題は、彼らが過去何が起きたかを否定すればするほど、そして彼らがあなたのような人を攻撃すればするほど、このモニュメントが必要であることを証明してしまうことにあります。なぜなら、これだけの年月を経ても否定し続ける人びとがいるのならば、尚のこと、その証となるものの存在が重要になるからです」(前述・勝見氏による翻訳)

 そして事態はまさに、カンポス氏の警告通りに進み、全会一致の決議となったのである。

 今回のサンフランシスコ市のリー市長の決議承認も同様だ。2015年の議決の際、リー市長は決議に拒否権を行使することはなかったが、姉妹都市である大阪市に配慮してか、署名もせずに差し戻しをしていた。ところが、今回、吉村市長と安倍首相がリー市長に対し、わざわざ議会決議に対する拒否権を行使するよう申し入れた。

 そして、市長が慰安婦像の設置を認めると、吉村市長はいきり立って「姉妹都市を解消する」と宣言、安倍首相も政府も、慰安婦という歴史的事実の否定を前面に打ち出したのである。これでは、国際社会の反発を買うのはあたり前だろう。

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