首相官邸ホームページより
国民の批判からトンズラし続ける安倍首相。選挙第一声は、なんと関係者以外立ち入り禁止のひとけの少ない田んぼの真ん中であげた。国民に約束したはずの森友・加計問題についての「丁寧な説明」とやらは、いったいどうなったのか。
実は安倍首相、昨晩、『NEWS23』(TBS)で放送された党首討論で、またもとんでもないことを言い出した。安倍首相は解散発表時、森友・加計問題について「国民のみなさまに対してご説明もしながら選挙を行う」と述べていたのに、今度は「国会で説明する」と反故にしたのだ。
昨晩の放送は、これまで以上にこの森友・加計問題にスポットが当たったが、相変わらず安倍首相は「先の閉会中審査で、前川さんも含めて誰も私から指示を受けていない、あるいは私が関与したということを明確に述べた人は誰もいないわけであります」「ワーキンググループ等のプロセスはすべて公開されている」などとテンプレートの回答ばかり。
さらには、日本のこころの中野正志代表が「今治市は15回も獣医学部新設を申請してきた」「加戸知事さんの証言はメディアで取り上げられない」などと、やはり安倍首相のこれまでの主張を展開。他の党首討論でも中野代表は安倍首相の「第二スピーカー」状態だが、ここでも安倍アシストの役割で立ち回った。
そんななか、共産党の志位和夫委員長は「国家戦略特区になったら(今治市が)スッと進んだ。これが問題になっているわけですよ」と指摘。さらに「選挙で丁寧に説明する」と言っていたにもかかわらず、安倍首相が街頭演説で森友・加計問題に一言もふれていないことに言及し、「説明する意思はないんですか?」と尋ねたのだ。
だが、安倍首相は「街頭演説というのは15分くらい」と言い(別に法律で時間が決まっているわけではなく自己配分でしかない)、「北朝鮮問題は緊迫化している」「少子高齢化は12月にパッケージをまとめなければ手遅れになる」(少子高齢化は何十年も前から問題だったのだが)からこれに時間を割くのは当然という見解を述べ、こうつづけたのだ。
「森友・加計問題については、私はもうかなり十分説明をしてきています。ですから、こういう場で質問されればこうやってお答えするわけですが、街頭演説でですね、これをもう私としては説明するというよりも、また国会がありますから、その場で問われれば説明させていただきたいと思います」
世論調査でもはっきりしているように、国民からしてみれば「十分説明」などまったく聞いていないんですけど!という話だ。それを「選挙で説明するから」と言って解散した挙げ句、「もう説明したから街頭演説では言わないし、国会で質問して」ときた。国民との約束を何だと思っているのだろう。