首相官邸ホームページより
昨日、民進党を離党した枝野幸男氏がリベラル新党「立憲民主党」を立ち上げた。会見では「安倍政権をストップさせる」ことはもちろん、党名の通り、破壊されつつある立憲主義と民主主義という近代国家にとっての「当たり前」を取り戻すと同時に「ボトムアップ型の社会」を目指すこと、そして「私たちはまさに草の根に立つという立場である」と宣言した。
こうした枝野新党の結成に対しては早くも期待の声が上がっており、映画監督の是枝裕和氏もこのようなツイートをおこなっている。
〈リベラルだろうが保守だろうが、目の前の記者の質問にきちんと誠実に向き合い、その背後に有権者がいるのだという認識を持って話す政治家の姿に感動している自分がいるのだが、それはこの数年、そのような当たり前の姿を少なくとも僕は全く見ていなかったのだということに改めて気付き愕然としている。〉
この是枝監督の率直な感想には同意しかないが、じつは枝野代表が真摯な会見を開いていたちょうど同じ時間、裏では自民党が恥知らずな会見をおこなっていた。岸田文雄政調会長による、衆院選の政権公約発表会だ。
立憲民主党の立ち上げや小池百合子・希望の党の動静に隠れた格好で開かれたこの会見で発表された自民党の選挙公約は、あらためて今回の選挙に大義がないことを露呈させた。それは、発表された重点6項目を並べれば一目瞭然だ。
「北朝鮮に対する圧力強化」
「アベノミクス加速によるデフレ脱却」
「ロボット・IoT・人工知能といった最先端分野での生産性革命の実現」
「消費税引き上げ増収分の使い道の見直し」
「地方創生」
「4分野を中心にした憲法改正」
そして、今回の選挙で安倍晋三総裁が掲げたスローガンは「この国を、守り抜く。」だという。