選挙期間中は「加計隠し」、終わったとたんに「認可」
当然だろう。「加計ありき」「総理のご意向」というお友だち優遇の政治の私物化という疑惑はいまだ何ひとつ晴れておらず、安倍首相は追及から逃げたまま。さらには、現在建設中の獣医学部施設をめぐっても、バイオセキュリティの面で危機管理体制の不備や建設費の水増し疑惑などが指摘されている。もし、このような状態で認可という判断が下されれば、大きな批判が起こることは火を見るより明らかだ。
そのため、安倍官邸と文科省は、設置審による認可判断を10月中に延期した時点から、スケジュール調整を行っていたらしい。
「先に設置審判断と解散、どっちを先に決めたのか、は判然としませんが、完全に加計ありきで、解散スケジュールを組んだのは間違いないですね」(全国紙政治部記者)
スケジュールまで計算しているとは、まさに「加計隠し」、ここに極まれりではないか。
しかも、安倍首相にはもうひとつ、森友学園の問題もある。すでにお伝えしているように、今回の解散は、現在、大阪地検特捜部が進めている近畿財務局の背任容疑での捜査を潰す目的がある。特捜部は「近畿財務局の職員逮捕に向けて本格的に動いている」という情報もあるが、選挙期間に入れば捜査もストップ。もし、選挙で自民党が勝利をおさめれば、安倍官邸の力はいまよりも増し、検察が捜査をつづけることはできなくなる。
「大義がない」と言われるこの解散だが、安倍首相にしてみれば、大義はあるのだろう。それは「加計疑惑の再燃よりも前に選挙に勝つための解散」「森友疑惑を潰すための解散」という、自分勝手極まりない大義だ。
もし、この「わがまま解散選挙」で安倍自民党が勝利すれば、安倍首相は森友・加計疑惑にかんして「国民から信任を得た」「禊ぎは済んだ」と言って追及を完全に封じ込めるだろう。そんな手前勝手な幕引きを許すのか、許さないのか。選挙の争点は、これ以外にない。
(編集部)
最終更新:2017.09.23 09:35