菅官房長官、麻生副総理も今井秘書官と確執、しかし安倍首相は…
「今井氏が書き直した部分というのが、それこそAIIBにかんするくだりでした。首相の親書には、中国が進める経済圏構想「一帯一路」と連動するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本参加に前向きな表現が盛り込まれていた。だから、谷内局長は激怒したんです。ただし、このくだりは、今井氏が勝手に書き換えたのではなく、安倍首相の了承に基づいたものだった。それを知った谷内局長は、安倍首相に辞意を突きつけた。これに対して、安倍首相は今井氏のせいにして弁明。なだめたようなんです。ところが、今度はそれを聞きつけた今井氏が激怒して、安倍首相に辞意を漏らしたというのが事の経緯です」(前出・全国紙政治部記者)
2人の側近の間で右往左往している安倍首相の情けない姿が眼に浮かぶが、しかし、この暗闘、首相の最側近である今井秘書官のほうの旗色がよくないらしい。
もともと、安倍政権のあらゆる政策・方針に口を出している今井秘書官をめぐっては、谷内局長だけでなく、菅義偉官房長官、麻生副総理との確執も伝えられてきた。
「財務省が背後に控える麻生氏と、経産省出身の今井氏は消費増税のタイミングで犬猿の仲。そして菅官房長官ともさまざまな政策で主導権争いを繰り広げ、加計問題の対応をめぐって亀裂が決定的になったといわれています」(前出・全国紙政治部記者)
そこに、今回のAIIB問題で中国に協力姿勢を示したことで、この両者に加えて、官邸周辺の親米反中勢力が激怒。右派メディアを使って、今井バッシングを始めたというのだ。実は冒頭で紹介したオフレコメモや、親書書き換え問題の裏話が流出したのもそのひとつではないかと見られている。
「かといって、安倍首相は今井氏を切ることはできない。今回の内閣改造などもほとんどが今井氏のアイデアですし、安倍首相自身が今井氏抜きでは何も決められない状態になっている」(政治評論家)
自身の政策能力や指導能力の低さをオトモダチの側近たちにカバーしてもらってきた安倍首相だが、いよいよその側近政治も限界に近づいてきたということらしい。
(編集部)
最終更新:2017.12.07 06:16