自民党HPより
本日8月9日は72回目の長崎原爆の日である。長崎市の平和公園では平和祈念式典が開かれ、多くの人々が参列した。
6日に行われた広島の平和記念式典では、広島市の松井一実市長が「平和宣言」のなかで7月に国連で採択された核兵器禁止条約に触れ、日本政府に「日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい」と求めていたが、長崎市の田上富久市長は核兵器禁止条約に対する日本政府の姿勢を「被爆地は到底理解できない」と厳しく糾弾し、より踏み込んだスピーチを行った。田上市長は本日の平和宣言のなかでこのように語っている。
〈「ノーモア ヒバクシャ」。
この言葉は、未来に向けて、世界中の誰も、永久に、核兵器による惨禍を体験することがないように、という被爆者の心からの願いを表したものです。その願いが、この夏、世界の多くの国々を動かし、一つの条約を生み出しました。
核兵器を、使うことはもちろん、持つことも、配備することも禁止した「核兵器禁止条約」が、国連加盟国の6割を超える122カ国の賛成で採択されたのです。私たちは「ヒバクシャ」の苦しみや努力にも言及したこの条約を「ヒロシマ・ナガサキ条約」と呼びたいと思います。
しかし、これはゴールではありません。核兵器を巡る国際情勢は緊張感を増しており、遠くない未来に核兵器が使われるのではないか、という強い不安が広がっています。しかも、核兵器を持つ国々は、この条約に反対しており、私たちが目指す「核兵器のない世界」にたどり着く道筋はまだ見えていません。ようやく生まれたこの条約をいかに活かし、歩みを進めることができるかが、今、人類に問われています。
(中略)
日本政府に訴えます。
核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください〉
また、式典のなかで被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた深堀好敏氏は、「核は人類と共存できない」とし、福島の原発事故であらためて核の脅威を目の当たりにしたにもかかわらず原発が次々と再稼働する状況に対して「自然エネルギーに軸足を移すべきだ」とも訴えた。
しかし、このような声は安倍首相のもとには届いていなかった。事実、広島での記念式典に続き、長崎でも安倍首相はスピーチのなかで核兵器禁止条約に触れることはなかった。そして、長崎の式典後の会見で核兵器禁止条約について「条約は我が国のアプローチと異なるもの」「署名、批准を行う考えはない」と突き放した。
唯一の戦争被爆国である日本が国際社会から求められている態度は火を見るより明らかなはずなのに、なぜ安倍政権はこのような態度をとり続けるのか。本サイトでは過去に検証記事を掲載。核兵器禁止条約に対する対応の背後には安倍首相の核兵器所有の欲望があることを指摘した。その記事を再編集する形で掲載するので、是非読んで、安倍首相の危険な野望をいま一度、再認識してほしい。
(編集部)